〖備忘録 第124譚〗野生の迫力
おばんです、シードルです。
昨年から続くクマ問題……特に都市部にやってくる『アーバン(都市)ベア』の出現率は年々増加している傾向にあります。
渓流釣りで山間部に足を踏み入れる私ですが、山合いよりも人里の方に多く出没している傾向にあるなぁ……と感じています。
というより、意外にも山深い所ではあまり動物とい出くわさないんですよね……それが縄張りによるものか、はたまた食べ物の有る無しによるものなのかは分かりませんが……。
しかし、クマにばかり気を取られてはいけません。
都市部に現れる動物は他にもいます。
それを実感したのが4/30のとある昼下がり……
この日は天気も良く私はドライブがてら盛岡市郊外にある『岩山展望台』へ行ってきたんですね。
思った通り、高台から見る盛岡の街並みと岩手山は最高でした。

そんな景色を満喫し、休憩してから「さて、帰ろう」と展望台を下りる時に車を走らせていた時です。
何やら、出口の道路の真ん中に少し大きな動物がいました。

「おや?」と思い、ゆっくりと車を動かすとその動物は道路の端の方にある茂みの方へと向かっていきます。
この時点で何の動物かは察しはついていたのですが、慎重に横づけして車の窓を開けました。

動物の正体は特別天然記念物にもなっている『カモシカ』でした。
カモシカと聞くと街中にいる人達は「珍しい!」となるでしょうが、意外にも山里近くで多く見られるポピュラーな動物です。
県外から引っ越してきた知人も初めて見た時は熱心に状況説明をして興奮していましたが、私個人としてはシカやタヌキ、キツネよりも人生で多く出会ってきた動物であり、とある因縁も持つ動物……正直、なぜ天然記念物に指定されているのかと見るたびに疑問に思うほどです。
そんなカモシカは視線を感じると目を合わせてきます。

お陰で車の中にいながらこんな写真を撮ることができました。
もはや天然の動物サファリパーク。
ただ、動物園やサファリパークと違うのは野生特有の圧というか迫力があるということ……ジッと目を合わせているとその目の奥に鋭い光を感じるんですよ。
かくいう、私がこのカモシカに因縁がある、というのは……釣りのたびに出会い、一度近づかれて雪解けで増水している川に頭突きで落とされたことがあるからなんですね。
雪が解けて冷たさMAX、水量、勢いともにMAXの川に入ったこともありガチで命の危機に陥りましたが、まだ膝までの水量の川で釣りをしていたのが幸いで何とか生きながらえることができました。
しかし、まぁ二重の意味で恐怖した時でもありましたね。
大抵の野生動物は人の姿を見かけるとすぐに逃げるものですが、カモシカにおいては積極的に襲うことはなくてもあまり逃げず、場合によっては近づいてくることさえあります。
そんな中、ずっと目を合わせ続けると「キュー!」という鳴き声とともに威嚇してくるものですから、草食動物とはいえ油断はできんのです。
幸いにもこの日出会ったこの子はすぐに茂みの方へ行きました。

「珍しいものが見られた」とこの時はホッとしていたのですが、その束の間……いきなり後方の方から「ブフーッ!」という声が聞こえてきたのです!
見ると後ろの方にいつの間にかもう一匹のカモシカ……しかも写真で撮影した個体より少し大きい!
そのカモシカが車に向かって小走りで駆け寄ってくるではありませんか!
「これはヤバい!」
私の脳裏に頭突きされた時の光景がフラッシュバックし、重なります。
慌ててアクセルを踏み、なんとかその場から逃げることに成功しました。
やっぱり、野生動物ともなれば草食、雑食、肉食に関わらず迫力があります。
厳しい自然を生きるにはある程度、このような覇気が必要なのでしょう。
動物の恐ろしさ、というのを改めて実感しました。
クマも怖いですが、このようにカモシカでも十分怖いです。
無論、カモシカだけでなく角の生えた雄鹿は全体が大きく見えて怖いですし、キツネも向かってきて噛まれたらただでは済みません。
近年では昔は東北にいなかったとされるイノシシまでもが至る所に出没し、更なる脅威が増えてきました。
さらにはマムシやヤマカガシといった毒蛇、ハチやアブといった虫もこれから暑くなる季節出現してくるでしょう。
クマという一つのことだけに囚われず、あらゆることを想定し、冷静に対応すること……それが今の時代、必要なことかもしれません。




