おばんです、シードルです。
8/1、この日が何の日か皆さんは分かるでしょうか?
この日はそう……盛岡の街が一番盛り上がる『さんさ踊り』の日!

さんさ踊りは8/1から8/4の4日間にわたって行われる世界一の太鼓パレード。
藩政時代より踊り受け継がれてきた、さんさ踊りの起源は岩手の名の由来でもある『三ツ石伝説』からきています。
昔、南部盛岡城下に羅刹(らせつ)という鬼が現れ、悪さをして暴れておりました。
困り果てた里人たちは、三ツ石神社の神様に悪鬼の退治を祈願しました。
その願いを聞き入れた神様は悪鬼をとらえ、二度と悪さをしないよう誓いの証として、境内の大きな三ツ石に鬼の手形を押させました。(岩に手形…これが”岩手”の名の由来だとも言われています。)
鬼の退散を喜んだ里人たちが、三ツ石のまわりを「さんささんさ」と踊ったのが”さんさ踊り”の始まりだと言われています。
引用元:さんさ踊りの由来より
毎年、さんさ踊りの開催が近くなるとその『三ツ石神社』にてミスさんさを中心に踊りを奉納するのが習わしとなっています。
『三ツ石神社』についてはこちら▼の記事にも詳細を記載しています。

さて、そんなさんさ踊りは18時より公会堂前よりスタートしました。
まずは先ほども触れたミスさんさの一団が先陣を切ります。

しなやかな踊り……そして浴衣の色合いも相まって綺麗ですね。
もちろん後続から来る太鼓の一団もダイナミックに踊ります。

太鼓を叩きながらキビキビ踊る姿はカッコいいですね。
この暑さの中、踊るだけでも大変なのに重い太鼓を掲げながら激しく踊るのは結構大変です。
相当練習したのでしょう。

祭りの雰囲気と熱気で熱中症にならないことだけを祈ります。
この踊りながら進む行幸を約30分行います。
昔は踊るのも大丈夫だったのですが……今の体では少々厳しい。

涼やかな色の浴衣、腹にまで響く太鼓、流暢な笛の音、ときどき鳴る鐘の音……これぞ盛岡の夏です。
本当は岩手の夏と言いたいところですが……8/1は他にも北上で『みちのく芸能祭り』があったりと各地で大小様々な祭りが開催されているので、一概にはいえないのです。
ましてや県外になると青森の『ねぶた祭り』や秋田の『竿燈まつり』といった強力な対抗勢力も同時に開催され乱立してきます。
なぜ一緒にやるのだ……。


さんさ踊りにはさんさの団体だけでなく銀行やテレビ局、病院といった企業なども参加します。
お祭りではよく開催する際の資金難が継続困難理由の一つとされていますが、さんさ踊りについては強力なスポンサーが付いているので心配ないですね。

さんさ踊りは元々、3日間の開催だったのですが参加団体の増加に伴い開催日数を1日追加し、今日の4日間となりました。
もっと有名になり人口も増えたら1週間開催になるかもしれません。

少し見えにくいですが、向こうの方に岩手のご当地ヒーロー『鉄神ガンライザー』のガンライザーがいました。
キャラクターのパッカー大佐、オダーズも一緒です。

敵役であるマヨイガーも登場。
ただし、いずれも向こうばかり……なぜこっちに来ない。
二手に分かれても良いのではなかろうか?

この団体は『テレビ岩手』なのでアナウンサーも出場して踊っている筈ですが……人が多すぎて分からない!

ただ、毎週金曜日に登場している渡辺裕太さんは見つけました。
浴衣の色もそうですが、周囲にカメラマンが多いので丸わかりですね。

しかし、凄い数のカメラとライト……インタビューしている方が光に反射して顔がよく分かりませんでした。
沿道にもライトがあるから少し減らしても良さそうな気がしますが……。

さんさ踊りは地区や団体により踊り方が微妙に違います。
足運びや太鼓の叩き方など……そのため、さんさ踊りをあまり知らない方が「踊って見せて!」と経験者に対し、適当なさんさの音楽をかけたところでリズムが少し狂って踊れなくなることもしばしば……というより、しっかり踊るには経験者でもある程度の練習が必要です。

さんさの太鼓が鳴り響き、街路樹に止まるセミたちがそれに負けじと鳴き声を一層大きくする……さらに風までもが吹き荒れる。
太鼓と蝉しぐれのハーモニー……人と自然の調和が融合した音色です。

辺りが少し暗くなり、ライトの光も強くなってきたためか撮るのも難しくなってきました。
こういうことがあるから画像で楽しさを伝えるのにも限界があります。
ぜひとも、現地へ赴いて生の目で見ることをオススメしますよ!

『岩手県庁』の団体からは『わんこ兄弟』と平泉PRキャラクターの『ケロ平』が登場。
わんこ兄弟は沿道両側に漏れなく配置して一人ひとり握手で対応。
流石は岩手のゆるキャラ……抜かりなし。
鬼には勝てるガンライザーチームですが、わんこ兄弟に勝つにはまだ先になりそうです。

今は亡き母方の祖父はかつてさんさ踊りの太鼓の叩き手として活躍していました。
その他、秋祭りで練り歩く盛岡山車でも音頭上げを行うなど……盛岡の大きな祭りに深く携わっていました。
そんなことを思いながらさんさ踊りを見ていると少しこみ上げてくるものがあります。
チャグチャグ馬コ、さんさ踊り、舟っこ流し、秋祭り……鈴や笛、太鼓や爆竹など祭りと音というのは切っても切り離せないもの……それはもしかすると現在を生きる人だけでなく、今は亡き人や神様、人ならざるものといった様々な存在にも楽しんでもらえるように先人達が生み出した方法なのかもしれません。

さんさ踊りも終盤に差し掛かりますが、私はここで離脱。
最後までいると渋滞に巻き込まれるので、道路が空いている内に市街地を離れるためです。
色変わりの鉄塔を眺めながら盛岡の夏の夜を堪能させていただきました。
