おばんです、シードルです。
11/17日(日)……この日は珍しく秋晴れだったため、岩手の秋を感じたいと思い、外へ飛び出しました。
とはいえ、ここ最近の岩手は全国ニュースになるほど熊の話題で持ち切り……加えて、インフルエンザの流行に関しても全国的に上位に食い込むほど、自然の中も人混みもリスクまみれ……。
さすがの私もこんな状況下では例年のように松川渓谷や胆沢ダムといった山の中の名所には行けないので、今年はその中間として盛岡市街地の中を散策することにしました。

こちらは盛岡市街で有名なアーケード『肴町』
いつもは多くの人で賑わっていますが、この日は人の数が少なめ……日曜日だからでしょうか?
こういう閑静な場面はなかなか珍しいので手始めに一枚撮影。

肴町にほど近い所にあるのが盛岡の名所『岩手銀行赤レンガ館』
東京駅を設計した辰野金吾氏が設計した東北地方に残る唯一の作品で一時はとても有名になりましたね。
現在では様々な展示を行っている場所としても使われています。
日の位置関係のせいか若干暗くなってしまいましたが、これもまたご愛嬌。

岩手を代表する放送局『テレビ岩手本社』
私は平日の夕方はテレビ岩手の『5きげんテレビ』を必ず見るリスナーです。
結構この前はよく通りますが、未だに有名人に会ったことはありません。

鮭の遡上で有名な中津川……昔はよく見られた鮭も震災以降はめっきりと数を減らし、近年では毎年恒例となっていた遡上中継もやらないほどに……。
今年に至っては鮭よりも熊の話題が多いという不思議な状況になっています。
ここに鮭が戻ってくるのはいつ頃になるのか……。

紅葉の名所といえば、山が中心ではありますが街中にも名所は存在します。
それが『盛岡城跡公園』
桜の名所であり、紅葉の名所でもあるこの場所は気軽に訪れるにはぴったりです。
今日はここで盛岡の秋を探してみますか。

金色に輝く紅葉は実に綺麗ですね。
青空を背景にするとより一層映えるような気がします。

池と紅葉はもはや鉄板ともいえる風景ですね。
秋の澄んだ空気と空を映し出す水鏡もなかなかのものです。

深緑の春も良いですが、色鮮やかな秋も素晴らしいもの……赤に黄色と目を楽しませてくれます。

秋といえば子供の頃はよく変わった形の落ち葉を探していたものでした。
たまには童心に還るのも良いでしょう。
こちらは差し込む日の光が瞳が光る鳥のように見えたもの……紅葉鳥(こうようちょう)と名付けても良いですが、いまひとつ面白味がないので黄色の鳳凰で『鳳黄(ほうおう)』と名付けます。

こちらも日光が光る瞳として魚の形に見えたもの……名づけるとしたら『陽鮒(ひぶな)』でしょう。
なぜ鮒か……理由としてはヘラブナに見えたからということと、金魚の元となった緋鮒を掛けて……。
思えば、今年は旅をしてばかりでまだ一度も竿を振っていません。
年を越す前にどこかで釣り竿を振りたいなぁ……。

盛岡城跡公園内を散策。
ところどころ緑もあり、色合いのバリエーションが増えて楽しいですね。
赤い橋も良い雰囲気を出しています。

公園内の高台にある主のいない台座……ここには元々、南部家42代の『南部利祥(なんぶとしなが)』公の銅像がありましたが、その像は戦争の軍需資材として徴収されてしまいました。
戦争が終わった現在ならばまた再建しても良さそうですが、説明書きにはこの状態を戦争の悲惨さを伝える『戦時遺構』として敢えて残しておくとのこと。
うーむ……九州地方で数々の偉人の銅像を見てきた私個人としては盛岡、ひいては岩手の活性のためにも再建したほうが絶大な効果があると思いますが……思惑があるなら仕方がないですね。

石垣と紅葉……この風景は城跡ならではですね。

橋の欄干と紅葉……ここだけ見れば、京都にも負けていないでしょう。


秋の紅葉を代表するイチョウ並木。
このイチョウの下のベンチに座り、読書をすれば誰でも文学少年、文学少女に……読書の秋を体感することができます。
実際には銀杏の匂いと吹き荒ぶ寒風で読書はなかなか難しい状況ですが……。


イチョウを洋とするならば、モミジはさしずめ和といった感じでしょう。
少し場所を変えるとこの通り、多様な秋を感じられます。

こちらは夏場になるとホタルが見られる場所。
都市部でホタルが見られるのも盛岡くらいではないでしょうか?
なかなか良い風景だったので記念に一枚。
名づけるなら『盛岡渓谷』

ホタルを育む街中の沢も見方を変えれば小さな渓流となります。
こちらは『盛岡渓流』と名付けましょうか。

沢の上流にある池には落ち葉がびっしりとあり、綺麗な水面というわけにはいきませんが、これも秋らしさ。
自然はあるがままを楽しむものです。

池に向かって横に伸びている松……他の地方では『臥龍松』として結構珍しいのですが、ここでは特に看板もなくスルーされています。
もったいないので私が勝手に命名『松龍(しょうりゅう)』というのはどうでしょう?
「いや、臥龍なのに昇る方!?」
というツッコミがありそうな気がしますが、なんだか縁起が良さそうじゃないですか。

こちらは池の中心にある鶴の像に群がる鴨たち。
鶴は南部家の家紋に使われるほど縁起の良いものです。
簡単に名づけるなら『鳥達の宴』……少しカッコつけるなら『鴨鶴の共宴(おうかくのきょうえん)』

見事な秋晴れと鮮やかな紅葉……街中でも秋は楽しめるものですね。

盛岡城跡公園をあとにして、少し辺りを散策。
こちらは県庁前の『中央通り』……肴町同様、平日は車と人が行き交う場所ですが、日曜日のせいか人も車もいない。
皆さん、山にでも行ったのでしょうか?
まぁ、この良い天気ですからそうなのでしょう。
こんな時に官庁街をぶらつくのは私くらいです。

中津川沿いを上がっていくと道路の中央に一際大きなイチョウの木が……色合いも相まって別格の存在感を放っています。
空も青空のため、余計に輝いて見えます。

イチョウの下から見上げると日の光も加わり、まるで黄金の傘のようです。
いや、金色の雨というべきか……様々なタイトルが浮かびます。
皆さんはどう思いますか?

そんなイチョウの近くには『上の橋』があります。
橋の欄干にある『擬宝珠(ぎぼうしゅ)』は観光スポットとしても有名ですね。
この擬宝珠は元々京都にある鴨川の橋の擬宝珠を移したものという言い伝えがあり、地元では昔から大切にされています。
とはいえ、私自身……この橋自体をまじまじと見たのは今回が初めて。
さんさ踊りや秋祭りなど渡る機会はいくつもあったのですが、馴染み過ぎてこうしてじっくり見ないんですよ。
有名なスポットほど地元の人は行かない……地元あるあるです。

近頃はこの河川敷にツキノワグマが出没し、全国ニュースになるほど大騒ぎになりました。
二、三年ほど前から盛岡駅付近や花巻の住宅街で出没し始めたので、個人的にはクマが出ることには特段驚かないのですが、街中に現れる頻度は例年に比べて増加しているのは確かですね。
寧ろ山中よりも街に行ったほうがクマが見られるほどに拡大しているのは確かですね。
まぁ、こればかりは自然であり動物であるため、仕方ないというしかありません。
私達にできることは遭遇するリスクを避けたり、軽減したりする程度です。
皆さんもクマやインフルエンザに気を付けつつ、岩手の秋を楽しんでください!

