おばんです、シードルです。
結婚……このワード近年はよく聞きますね。
昔は会社の上司や親などが仲人となり、お見合い結婚が推奨され、結婚して家庭を持つことは出世するのにマストとされていました。
さらには6月のジューンブライドやウェディングドレスは女性にとっての憧れ、男性にとっては愛する妻と可愛い子供の笑顔を守るため、働くモチベーションとして……20~30代には意識し始める頃でしょう。
以前、触れた時は結婚について色々と述べてしまい、批判的に捉えた方もいると思いますが、私自身は結婚否定派ではなく、むしろ前までは「そろそろ結婚したいな…」と思う側でした。
近年では結婚相談所のみならず相席居酒屋、マッチングアプリなど多種多様な出会い方が増えました。
一方で馴染みのあった『ナンパ』は女性側が訴えれば犯罪として扱われるなど時代の変化を感じさせられることもしばしば……。
そんな中で話題となっているのが『孤独死』ですね。
独居の高齢者が物が散乱している部屋で独り寂しく最期を迎える……それを悲惨な最期とメディアでたまに報じているのを見ます。
それに伴い近年の若者の結婚離れを少子化促進、性欲の減退と大々的に報じて「独り寂しく死ぬのは辛いから、早めの内に結婚したほうが良いよ」なんて助長しています。
今「結婚したい!」と婚活を頑張っている方としては周りも結婚しているから、と焦る方と孤独に死にたくないから、の二通りのパターンだと思います。
個人的には結婚推進派でもないので結婚のメリット、デメリットを語るようなことはしません。
それについてはほとんどの先駆者がやってらっしゃるので……私からは元介護福祉士で施設勤務を経験した身としての体験談を交えて、結婚=孤独死を防げる、という意見について述べたいと思います。
結論から言ってしまうと、結婚して子供をたくさん作ったとしても孤独死を完全に防ぐことは……
できません
逆に結婚しなかったからと言って、必ず孤独死になるのかと言ったら……
なりません
その理由として、まずは結婚している場合として……結婚していても子供を授かるとは限らないですし、配偶者や子が事故や事件、病で先に亡くなることだってあります。
年齢が自身より低いからといって、先に死なないという保証はなく、死は誰にでも訪れる平等なものです。
また、離婚や別居、熟年離婚などでせっかく築いた家庭を崩す場合もあるでしょう。
また、年をとっても家族がいるからといって油断はできません。
それまでの行いに対して……世話をしてくれない、助けてくれない、といったパターンも存在します。
核家族化が進み、子供が遠方に住んでいる場合はこのパターンが意外と多いです。
また嫁姑舅問題で実質、縁を切っている場合もあります。
こういう場合は老人ホームの施設に預けられ、亡くなるまで面会に来ないといったパターンが多々見られます。
そういう場合、意外と面会にいらっしゃるのが兄弟や甥、姪といった方々……もちろん、配偶者や子が来られる方々もいますが、皆さんが思っているよりも多くないことが実情です。
また、感染症などで面会制限や禁止になると会いたくても会えないという状況になります。
この仕事をしていて心を痛める時はご本人さんが息を引き取りそうな時に誰も来てくれない時です。
連絡を入れても「亡くなったら連絡をください」と冷たく言い放つ家族だっています。
これでもなお「いや、まだ施設は人がいるからマシだ」という方もいると思います。
私としては止めるつもりはないですが、施設に入って誕生日や行事で他の人達の家族が来るのを独りただ見るのは、孤独死よりもある意味辛いと思います。
さて、逆に結婚しなかった人で孤独死にならない例を挙げると……普段から趣味に勤しんで活動している人やゲートボール、図書館や通院など日課や人気のある場所に行っている人が挙げられますね。
また友人、知人が多いというのも特徴です。
「でも同年代の友人はほとんどいなくなるじゃないか」
という方もいますが、友人に年齢は関係ないです。
年上から年下……その気になれば小学生や高校生の友人を作っている人もいます。
そういう方は総じて、ゲームをしたりパソコンに詳しかったりと趣味や興味のある分野に飛び込める人です。
「そんなことはできないし、人に話しかけるのも億劫だ」
という方はボランティア活動などはどうでしょうか?
朝や夕は小学生の登下校の見守り、日中はゴミ拾いや環境整備……やっていれば自然と地域の方から認知されます。
そのような方が施設に入って場合……そういう関係の友人や知人が来てくれたりします。
人によっては死後も色々と世話を焼いてくれる方もいたりするんです。
このように結婚したからといって孤独死を防ぐことはできないですし、結婚しなかったからといって孤独になることもありません。
どちらでも言えることとしては人を大切にする『人徳』が必要ということですね。
打算的な人付き合いは生きている内だけですが、情で出来た人付き合いは死後もずっと続いていくんです。
とはいえ、結婚をするべきかしないべきか迷う人もいると思います。
正直、自分の好きなタイミングで良いと思いますよ。
高齢化社会? 少子化? 結婚すれば損か得か? ぶっちゃけ、そんなことはどうでも良いんです。
「よぉし、少子化を防ぐために自分も結婚しよう! 愛は二の次だ!」というのだけはやめてください。
国からすればありがたいでしょうが、そもそも一個人が結婚したところで少子化が解決する筈がありません。
それでも「一人ひとりの意識がやがて全体となる」とワンフォーオール、オールフォーワンみたいな考えを唱える方もいるでしょうが、そんな無理に結婚して子供を生んだ後に別れて……親である人達は満足でしょうが、残された子供の気持ちを考えるといたたまれないです。
離婚が悪とか片親が悪いというつもりはありませんが、やはり『父親』『母親』それぞれの愛というのは子供には必要なんですよ。
子供だけ増やすのが目的なら一夫多妻や一妻多夫のほうがまだマシです。
ただ、そのぶん特定の一族の血だけが濃くなるので、人権とか平等とかいう概念は破滅し、戦国時代のように家同士での争いなどがより過激になると思いますが……。
生まれてきた段階で死はどんな人でも訪れます。
ましてや、死出の旅路は一人で行くものですから孤独に亡くなるというのは本来普通のことです。
畳やベッドの上で亡くなるとか海や山で亡くなるのと同じくタイミングといっても良いでしょう。
家族や周りにいる自分のことを気にかけてくれる人を大切にする……それができれば穏やかな最期を迎えることができると思います。