おばんです、シードルです。
皆さん『確定申告』の書類作り……進んでいますでしょうか?
私は一応、例年通りに国税庁のHPで書類を作り、あとは提出書類の到着を待つだけとなっていますが……ふと、最近CMでやっている「スマホで確定申告ができる」というフレーズに興味を持ち、時間を見つけて電子申請にもチャレンジしています。
CMでは「いつでもどこでも24時間手軽に確定申告ができる」と謳っており、何かで紙の申請が出来なくなくなった時にいいかなぁ……と思っていましたが、やってみるとこれまた複雑。
なんせ本来提出しなければならないふるさと納税や年金、給料……その他もろもろのデータを引っ張るために様々なサイトに連携しなければならないほか、暗唱番号以外にも『署名用電子証明書』の暗証番号まで入力しなければならないので、設定の段階で意外と大変です。
しかも、都度マイナポータルに戻され、そのたびにログイン用の暗証番号4桁を入力しなければならないのでこれまためんどくさい。(三回間違えるとロックがかかります)
まぁ、この手間をかければ以降は簡単に出来るのでしょう……そのため、これに関しては百歩譲って良いとして、問題なのがそのデータに反映されている情報。
確定申告ではその年度の1月~12月までに掛かった医療費等を計算して記入しなければならないのですが、私の場合反映されているデータは9月まで……残り3ヶ月分はいずこに?
しかも、病院から発行された明細書や領収書を見比べるとところどころ掛かった金額が多かったり、少なかったり……合計金額の誤差はほとんど無いのですが、これははたしていかがなものか……。
そして、年金に関しては前納していた分が反映されておらず未納扱いに……口座引き落としなので、ちゃんと通帳には記載されているのですが、これはひねくれた見方をすれば『国や行政のほうで改ざんが可能』と言っても等しい状況です。
とはいえ、マイナンバーカード自体は別に悪くないんですよ。
今までは平日で市役所に行かなければ手に入らなかった『住民票』がコンビニで手軽に入手できたり、引っ越しの際の諸々の手続きなんかもマイナンバーカード一つあれば10分も掛からずに終えることができるのですから……特に住民票に至っては資格取得や免許の更新で遠方に行って忘れた際にすぐに手に入ったため、とても助かりました。
身分証明に至っても、運転免許証よりもマイナンバーカードの方が信憑性が高いのですぐに通りやすいというのも利点です。
しかし、一方で転入、転居で住んでいる自治体が変わった際や更新後は24時間使えなかったり、エラーが多いというのもまた事実。引っ越し後、住民票が必要になりコンビニで取得しようとした際にはエラーになったため、かなり焦りました。
また、健康保険証の紐づけにおいてもカードがエラーになって使えなかったり、無くしそうになったりとシステムにおいては山積みです。
この辺りについては以前の備忘録も少し触れましたね。
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とはいえ、マイナンバーカードを使いこなしている人に関してはこれら問題も些細なこと、実際「確定申告がすごく楽になった!」という人もいるのは確か。
けれども、正直私としては健康保険証や運転免許証の紐づけはまだしなくて良いのではと思っています。
データの流出だとか、浸透していない……というより、大きな理由として『災害や停電が起きた際に使えなくなってしまうから』です。
マイナンバーカードはICチップにて情報が全て管理されていますが、外観はただの顔写真と住所が記載されたカードです。
情報を読み込むためにはカードリーダーとそれを動かす電源が必要となります。
確かに火災や土砂、浸水などで紙も焼失してしまうリスクはありますが、それはチップの入ったカードも同じ……むしろ、破損なんてしてしまえばその時点で終わりです。
災害時というのはただでさえ、医療や身分証明が大事な時だというのに……被災してしまうとほとんどの人が出来なくなるわけです。
情報を一つにまとめるというのは便利な反面、そういったリスクもあります。
ですから、投資における「卵は複数のカゴに入れておけ」ではないですが、リスク分散は必要なわけです。
ただ勘違いしてもらいたくないのですが、私は『マイナンバーカード全般を反対』するつもりはありません。
『全てをマイナンバーカード一つにして、その他を廃止する』ということに反対なだけです。
マイナンバーカードにも健康保険証や運転免許証の機能を付けることに関してはシステムエラーや国民へ十分浸透し、誰もが問題なく扱えれば推奨しても良いと思います。
それとは別に従来の健康保険証や運転免許証は継続して、今まで通り医療機関や警察で対応し、何か変更があった際はデータを発信して行政で対応、管理するというのが安心安全なような気がします。
そうすれば、仮に災害や停電が起きた際にもマイナンバーカード、健康保険証、運転免許証と保険が3つあるので少なくとも身分証明においては十分機能すると思います。
SF作品における近未来では全てが電子化されている描写がありますが、そこまで到達するには今の我々人類にはまで早いでしょう。
ペーパーレス化と何かと紙資源を大切にし、削減する動きが高まっている今日ですが、紙は手間が掛かる代わりに証拠や証明が簡単に消えにくいという利点があります。
享受だけに甘んじることなく、利便化におけるリスクを理解し、それを補うような行動を一人一人が行っていく……それが生き残るために必要なことかもしれません。