町ぶら

葛根田川沿いに立つ大岩屋【雫石町‖玄武洞(葛根田の大岩屋)】

 岩手県はその名に『岩』という字が含まれている因果か、陸海問わず多くの奇岩があり、化石や地層にも深い縁があります。

 そんな岩手の中心部に位置する岩手山や盛岡の周囲もまた熔岩流跡や鬼の手形といった奇岩が複数見られる。

 しかし、そんな岩々も夏は深緑に埋もれてしまいがちですが、秋になると一変……紅葉の鮮やかさとともに一層際立ちます。

 今回はそんな紅葉を楽しみながら、眺めることができる岩屋とその近くにあるとても美味しいお蕎麦を提供するお茶屋さんをご紹介します。

概要

岩手と秋田の狭間にある大岩屋

 雫石町にある葛根田川……岩手山の南に位置するこの場所は『十和田八幡平国立公園』の一角にあり、秋田との県境に位置する狭間の場所にあります。

 国指定の天然記念物に指定されている『葛根田の大岩屋』こと『玄武洞』『玄武の大岩屋』とも称されていて、この大岩屋から上流約10㎞先にある『滝ノ上温泉』までの間を『葛根田渓谷』といい、緑眩しい夏は沢登りや釣り、秋には周囲に広がるブナの原生林による鮮やかな紅葉が楽しめるスポットとなっています。

『滝ノ上温泉』周辺の情報についてはこちら▼の記事にも詳細を記載しております。

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『玄武洞』はそんな葛根田渓谷の玄関口であり『雫石十四景』と呼ばれる雫石町の景勝地にも指定されています。

アクセス

『玄武洞』は葛根田川沿いにあり、盛岡からは秋田県の田沢湖方面【雫石バイパス(国道46号線)】に車を走らせることで葛根田川に差し掛かります。

 道路はいくつもあり、ルートを決めるとかえってややこしくなってしまいますので、向かう際は『滝ノ上温泉』の案内に従うと確実に着くことができます。

 他の目印としては『玄武洞』の目の前にあるお蕎麦屋さん『玄武洞茶屋』や温泉施設『ゆこたんの森』などが近くにあるのでオススメです。

 また、道中にはジェラートで有名な『松ぼっくり』などがあり、紅葉のついでにグルメ、温泉、デザートを同時に楽しめるスポットとなっています。

 駐車場に関しては『玄武洞』の目の前……『玄武洞茶屋』隣に公衆トイレ付きの広い駐車場があります。

探勝レポート

大岩屋

 それではさっそく探勝といきましょう!

 今回は『玄武洞』前にある駐車場からのスタートです。

駐車場

 駐車場は駐車線などはなく自由に停めることができ、広々設計となっています。

 駐車線の無い駐車場は多くの場合、観光バスも停められるようになっているので線は引いてありません。

 公衆トイレも大きく綺麗なので、休憩所として使われているのかもしれません。

 そうして、川沿いの方に目を向けると……

玄武洞

 目の前に大きな岩壁……『玄武洞』が聳え立っています。

 かなりの大きさと高さです。

 下の方は川の水による浸食でしょうか……えぐれて洞窟のようになっています。

 少し残念なのがフェンスがあること……川へ入らないための措置でしょうか?

 景観がはっきり見えないのは心苦しいですが、これも安全対策ならば仕方ないでしょう。

説明書き

 駐車場には詳細が記載された看板も設置されています。

 これによると『玄武洞』は火山噴火によって流れた溶岩が冷却固結した柱状摂理が見られる高さ約70mの断崖だそうです。

 1999年には崩落によって一部景観が失われた……とありますが、とてもそうは見えないですね。

 ということは、張られたフェンスも崩落によるものでしょうか?

 よくよく考えれば岩屋の下が洞窟のような空洞ができるほど川の水が浸食する、ということは対岸であるこちら側も浸食されてもおかしくはないですよね……。

 葛根田渓谷は大雨などが降ると落石や増水で意外と通行止めになる頻度が多いです。

 もしかして、川への侵入防止のためのフェンスではなく、川岸崩落の防止フェンスなのでは?

……なんだかそっちのほうがしっくりくるような気がします。

玄武洞2

 考えを改め『玄武洞』になるべく近づいてみましょう。

 残念ながら木々が生い茂り、隙間が寸分もないためこのアングルでの撮影が限界……。

 分かったことといえば、フェンスが思ったよりも丈夫であるということ……そんなに危ないのか。

玄武洞茶屋

 普段なら探勝はここで終わりですが、せっかくなので『玄武洞茶屋』にも入ってみましょう。

玄武洞茶屋

 店内に関してはプライバシーのため、撮影はしておりませんので、ご想像でお願いします。

 お店の中はこじんまりとしていてテーブルが6台ほど……お冷は湧き水を引いているためか蛇口から流れっぱなしのそのままのお水でとても滑らかで冷たく美味しかったです。

 こちらのお店のメニューはその清廉な水を使用した手打ちのざるそばと天ざる、玉こんにゃくが主なメニューで、時期によっては他にもメニューがあるらしいとのことでした。

 私は初見のお店ではそのままの味を楽しみたいため、ざるを注文。

ざるそば

 出てきたざるそばは一見すると普通のざるそばと同じように見えますがコシが強く、若干冷麺の麺に近い弾力があります

 そして、歯ざわりというか口当たりはとても滑らかでどんどんすすりたくなってしまいます

 そして、気が付いたらもう無い状態……人によっては量がちょっと少ないようにも感じますが、それが逆に良い!

 特に私のような少食者には昨今のデカ盛りブームで辟易していた分、ちょうどよかったです。

 ざっくり述べると美味しい水を使った手打ちそば……とても美味しかったです!

 訪れたこの日はすぐに席に着くことができましたが、平時では店外に行列ができるほど……すぐに堪能できてラッキーでした!

おわりに

 ダイナミックな『玄武洞』と繊細な職人技で作られたおそば……両方楽しむことができました。

 訪れた時はまだ紅葉になっていませんでしたが、完全に色づいた時には紅葉狩りをしながら近くにある温泉やそばを楽しみ、最後はジェラートで締めくくる贅沢な一日を過ごすことができるでしょう。

 行楽の秋にはぜひとも雫石町に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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