備忘録

〖備忘録 第62譚〗変化を楽しむのが幸せ

 おばんです、シードルです。

 皆さんは日頃『不自由』を楽しんでいるでしょうか?

「はぁ? お前はいったい何を言ってるんだ?」

 そう思う方もいらっしゃるでしょう。

 確かに世の中、色々と楽になれば時間の余裕も生まれ、心の余裕も生まれ生活しやすいでしょう。

 不便だから余裕がなく、精神的に不安となる……そういう流れになっても無理はありません。

 しかし、はたして本当にそうでしょうか?

 楽になれば日々の生活が楽しくなる……それも一理あるかとは思いますが、断言するには些か弱い。

 むしろ楽になればなるほど「アレもしたい。これもしたい……あぁ、時間がない」と色々な欲求が出てくるのではないでしょうか?

 よく大金を手にしたした人が豪勢な暮らしから元の暮らしに戻る際に生活水準を下げることができずに苦しむ……という例をよく聞きます。

 そのため、今あるものに感謝する『足るを知る精神』が大事だと説かれていますが、それと同様に『時間』もまた『楽』によって生み出され……『楽』や『利便性』を求めること=『時間』を求めていることと同義であるといえるでしょう。

 楽になること……自由になること……それは膨大な『時間』を得るということ。

 最近、流行りの経済的自立と早期リタイアである『FIRE』はこれを象徴としており、時間とお金の自由を得ることを目標に仕事をしている人も少なくありません。

 けれども、自由の先……そこにはいったい何があるのか?

 楽、利便、金銭……その極致に至った方々のほとんどはこう話しています。

「楽しくない」

と……意外な答えですね。

 自由を得て楽しむために、苦労してそれを手に入れたのにいざ実現できる環境になった時に楽しむことができない。

 恐らく理由としては「思い描いていたことをすぐに実現し終えるから」だと私は思います。

 悠々自適、好きなことして遊んで暮らす……そう決めてはいて、念願叶ってそれを実行する。

 初めはとても楽しいんです。

 けど、人間とは『飽きる』生き物ですからずっとやっていく内にだんだん飽きて、嫌になります。

 そうして色々とやり尽くして、気が付けば何もやることがなくなってしまう。

 これは退職した人が時をそんなに経たずして再び就職するのと同じ原理……。

 要は願望がなかなか達成できず、それを達成した時の充足感が心地よいから楽しいのであって、それがすぐに叶うとなると次第に何も感じなくなるということです。

 良い例としてはキャンプが該当するでしょう。

 何もない自然の中、不自由な環境で水を汲んだり、火を起こしたり……それをするのが楽しいからハマる人がいるわけです。

 無論、だからといって年がら年中そうやって暮らせ、というわけではないです。

 いつもそんなアウトドアな生活ではとても苦しい時もあるでしょう。

 季節だってそう……日本は四季があるから移り変わりがあり、楽しいですがこれが熱帯地域や極寒地帯といった固定された季節では楽しむより「いつものこと」と思ってしまうでしょう。

 人生とは利便でも不便でも楽しむこと…………特にお金をかけずに色々なことを楽しむ人は最も幸せな人といっても過言ではありません。

 様々な状況、物事にアンテナを張り巡らし、いついかなる時も楽しむ……それが幸せな生き方かもしれません。

 

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