スーパーの野菜コーナーで常に安定して安価で購入できるもの……皆さんはお分かりでしょうか?

 そう! それはズバリ『きのこ』

 ぶなしめじ、シイタケ、エリンギ、まいたけ……これは大量栽培が可能となり、今日では100円近い値段で買うことができる家庭の救世主です。

 しかし、そんなきのこ達も現在の栽培技術が確立するまでは天然物しか入手できない高級品でありました。

 特に『まいたけ』はほんの数十年前までは天然ものしか流通しておらず、価値はきのこの王様と呼ばれる『マツタケ』と同等の高値だったといわれています。

 現代では庶民の味方側に付いたまいたけ……人工栽培により品質はピンからキリと多種多様となりましたが、実は自然に近い形で栽培している高品質のまいたけがあることはご存知でしょうか?

 今回はそんな低価格かつ高品質なまいたけをご紹介します。

庶民の味方となった女王様

 八幡平市にある『有限会社 安比まいたけ』さんでは全国の料理人から高評価を得ている自然に近い状態で育てられた『安比まいたけ』を作っています。

 かつてまいたけはほんの30年ほど前まで天然もののみしか流通しておらず、高値で取引されていたそうです。

 そのため『きのこの王様』と呼ばれるマツタケに対し、天然のまいたけは『きのこの女王』と呼ばれ、幻の存在とされてきました。

 しかし、きのこ採り名人でもあった会社の先代が昭和50年代から栽培に着手。

 岩手県産の広葉樹(ナラ、ブナなど)のおがくずと、水、フスマ(小麦の皮)、トウモロコシ粉と天然素材のみで作られた独自の菌床……薪ストーブを使用し温度を20~25℃に保った『夏』の気候を再現した部屋地下60メートルから汲み上げる清冽な地下水を噴霧し、山にかかる朝もやのような空気を作って温度を15~20℃に保った『秋』を再現した部屋など……天然ものに近い環境で育てる『露地栽培』を徹底した結果、天然ものに匹敵するまいたけを作り出すことに成功しました。

 もちろん、自然に近いので無農薬。

 こうして女王様は庶民の側につくこととなったわけです。

レポート

見た目

それではさっそく見ていきましょう!

安比まいたけ1

 こちらが『安比まいたけ』

 黒いトレーに入っていると高級感がなおさらありますね。

 こちらは道の駅で購入しましたが、300円ちょっと……「なんだ、100円くらいじゃないのか?」と声が聞こえてきそうですが、この大きさと量で100円くらいはまず無いです。

 それどころかこんな立派なまいたけがワンコインで買えることのほうが寧ろ驚きです。

 開けなくても分かる……これは良いまいたけです!

匂い

安比まいたけ2

 トレーから出すと良いきのこの香りが漂ってきます。

 きのこ特有の菌の香りというのはまいたけはあまり強くない感じがありますが、こちらはなんというか、森というか木というか……ウッド感のある上品な匂いがします。

 まつたけが重みのある匂いとするなら、こちらは爽やかさのある匂い……さすがは女王様です。

 そんなまいたけは素材の味を感じるために余計な味付けはせず、軽い素揚げにようにしてみました。

安比まいたけ3

 本来は天ぷらが一番なのでしょうが、衣がイマイチだったのか、油の量が足りなかったのか……なんだか中途半端な見た目に。

 素材の良さを生かせない、未熟者をお許しください。

 それではまずは何も付けずに……実食!

安比まいたけ4

 う~む……口の中でまいたけの旨味が広がる!

 油と衣が少しばかりべちゃついてしまっていますが、そんな私の料理下手を打ち消すように程よい食感が主張し、まいたけの爽やかな味が失敗した油のべちゃつきをかき消していく!

 噛むたびに噴出した香りが口腔内から鼻腔を通り抜け、嗅覚にも余韻を残す……これは美味しいです。

 なんだろう……良い食材というのは料理人の失敗をフォローしてくれるのだろうか?

 こりゃ、全国の料理人が惚れるのも分かる気がする。

安比まいたけ5

 続いては醤油に付けて食べてみます。

 ……醤油を付けると旨味に深みが出て味の余韻が長く感じられます。

 長く楽しみたいならこちらですね。

 やはりきのこには醤油なのだろうか?

安比まいたけ6

 いやいや、揚げ物には塩もあります。

 ということで今度は塩を付けて食べてみましょう。

 ……塩だとさっぱりとした味わい。

 味の余韻も一瞬で去っていきます。

 ただ素材本来の味は爆発的に引き出していますね。

 太く短く楽しむか、細く長く楽しむか……調味料によってここまで違いがあるのは面白い。

用途&感想

 まいたけの香りは爽やか系に近く、旨味はしっかりと残り美味しいです。

 これは料理人が求めるのも納得の代物。

 用途としてはやはり天ぷらや炒め物が良さそうですが、食感もとても良いので丸ごと使えるような料理や匂いの強い他の食材とも相性が良さそうな気がします。

 まいたけの一本揚げなんかは余すことなく味わえそうですね。

商品アフィリ

 安比まいたけは秋頃になると岩手県内のスーパーや県北の道の駅、産直、直売所などで販売されています。

『有限会社 安比まいたけ』さんのサイトでも通信販売を行っているようです。

有限会社 安比まいたけ HP

 また、他通販サイトではふるさと納税の返礼品としてもあるので、ぜひとも購入し味わってみてください!

おわりに

 上品質なまいたけが手軽に食べることができる……これは栽培した方の熱意と努力の結晶といえるでしょう。

 そして、私たちはそれを気軽に口にすることができる……とても良い時代になったものです。

 かつて幻と呼ばれた天然と遜色変わらないまいたけ……皆さんも食してみませんか?