地サイダーとは地元の素材を使うことで生み出される最もポピュラーな特産品です。
特に果物とは相性がとてもよく、りんごやバナナを使ったサイダーはほとんど外れがなく人気商品となるほど安定しています。
そんな安定したフルーツサイダーの中でも今回、私が紹介するのは珍しい『さるなし』を使ったサイダー。
果たして、さるなしとはどんな果物なのか? その味はどうなのか?
実際に飲んでみた感想をさるなしの説明とともにご紹介します。
軽米町の特産品を使ったサイダー
さるなしとは?
『さるなしサイダー』の元である『さるなし』は軽米町の特産品です。
見た目は黄緑色の果物ですが、さるなしは『コクワ』や『ミニキウイ』とも呼ばれているキウイフルーツの仲間であり、9月〜11月に旬の時期を迎えます。
中国が原産のつる植物ですが、現在では日本全国に広く分布しており、基本的には標高の高い山に自生しています。
北海道では気温が低いため平地でもサルナシが見られるのが特徴です。
さらに耐寒性や耐暑性が強く、自宅でも栽培しやすいので家庭菜園にもピッタリで開花時期には小さな白い花をたくさん咲かせ、楽しむことができます。
そのまま食べることができるうえ、実は果実酒やシャーベットといった加工品にしてもおいしく食べられます。
語源としては、さるなしの果実はとても甘く、野生のサルやクマが好んで食べる果物であり、見た目が梨のような形をしているため『猿梨(さるなし)』と名付けられました。
他にも……
・猿が我を忘れて食べたから
・猿が食べて無くなってしまうから
など様々な説があります。
さるなしと軽米町の関係
さるなしは昔から軽米地方の山に自生しており、『コガ』と呼ばれ(北海道では『コクワ』とも呼ばれる)お菓子の無い時代にはおやつのように食べられていました。
そんなさるなしを昭和58年頃、当時の町長が栽培することを提案し、試行錯誤の末、平場での栽培に適した『棚づくり』に成功。
町の特産品にまですることができました。
そんな町民の努力の結晶であるさるなしのサイダー、さっそく頂いていきましょう!
実飲レポート
見た目
さるなしサイダーの見た目です。
さるなしと太陽がサングラスをしているファンキーなラベルです。
見ただけで陽気な気分になりそうです。
果汁は2%……ですが、色合いは金色に近い黄緑色です。
実際にコップに入れてみましょう。
透明なコップに移し替えると、ますます金色さが増しています。
黄緑色やバナナのような黄色さというより白ワインを濃縮して色味を強くしたような色が近い感じがします。
匂い
匂いの方は率直な感想を申し上げると匂いはほぼキウイフルーツそのものです。
さすが、仲間というだけはあります。
しかし、そこまで強い匂いを発するかというとそうではなく、香ったと同時にスッと消えていくような控えめな感じです。
爽やかな香り……と表現した方がしっくりきます。
味
それでは気になる味の方はどうでしょうか?
味の方もキウイフルーツとほぼ同じ……しかし、こちらも自己主張が強いわけではなく、口にあまり残らず、サッと消えていくような爽やかさがあります。
これがさるなしならではのポテンシャルなのか、それとも果汁2%によるものなのか……定かではありませんが、クセはあまりなく飲みやすい印象がありました。
果汁100%のジュースとかなら、また違った甘さや味わい、独特の風味なんかもあるでしょうが……ここはサイダーの炭酸がそれらを中和し、コントロールしています。
用途
純粋なジュースの場合はその果実特有の旨味や雑味等も再現してしまいますが、サイダーにすることでそれが程よく調整され、飲みやすくなっています。
さるなしが気になる方にとっては初見で触れるのにちょうど良いかもしれません。
また、さるなしにはビタミンCなどの栄養価がたいへん高く、タンパク質分解酵素を大量に含み、疲労回復や強壮、整腸作用などの効能があるので、サイダーの炭酸による腸への刺激も相まって大きな効果を期待できそうです。
感想
総合的な感想としてはすっきりとして飲みやすいという印象でした。
甘さに関してはそれほど強いという感じはありませんでしたが、逆に甘ったるいものが苦手という方の場合、このサイダーは非常に良い商品だと思います。
商品リンク
今回紹介した商品はこちらから購入することができます。
おわりに
サルやクマすらも好んで食べる果実、さるなし……その実は、野生動物のエネルギー源として好まれており、美容や滋養にも高い効果があります。
しかし、キウイフルーツによるアレルギーをお持ちの方は同様のアレルギー症状が現れることがあるらしいのでご注意ください。
余談ですがさるなしの花言葉は『誘惑』……くれぐれもその魅惑にとり憑かれないようご用心を……。