おばんです、シードルです。

 5/13(木)……この日は久しぶりに盛岡と宮古を繋ぐ街道沿いにある『閉伊川』へ渓流釣りに行きました。

 閉伊川は宮古の山間部……北上高地にある旧川井村、そこにある岩神山と兜明神岳を源流に持ち、宮古の中でも盛岡に最も近い区界峠辺りから太平洋へ向けて流れる二級河川。

兜明神岳前の鳥居
兜明神岳を祀る兜神社
兜明神岳
区界高原にある兜明神岳。道の駅『区界高原』からでも見ることができます

 ただし、二級河川とはいえ水はとても綺麗で澄んでおり、淵は緑掛かった美しい青色を形成し、日本最後の清流である高知の『四万十川』にも引けをとらないと自負しています。

 あちらでは仁淀ブルーとも称されていますが、色合いは遜色変わらないと個人的には感じています。

 山間部の支流を巻き込みながら大河となって宮古湾へと流れるため渓流釣り師の間では『閉伊川水系』と呼ばれ、イワナ、ヤマメ、アユ、サクラマス釣りにおける県内の一大メッカです。

 なんせ、現在は北海道にしか生息していない幻の魚『イトウ』が本州で唯一生息していた水域ですからね……北海道並みの自然、高知並みの水と称せばその凄さは分かるでしょう。(なお、現在閉川水系のイトウは絶滅しています)

 さて、そんな閉伊川は私が生まれて初めて渓流釣りをデビューした川でもあります。

 もっとも、その頃はまだ渓流のけの字も分からないほどでしたので、解禁直後の3月1日にルアーで挑戦し、ボウズで大惨敗し、Xでフォローしている方々に慰めてもらった苦い記憶があります。

 その後は花巻にある稗貫川水系や北上の和賀川水系など県南メインで釣行していたため、こちらは全然手を出していませんでした。

 あれから幾年月か経ち、渓流での釣行にも慣れ、実績も細々ながら付いてきたため、盛岡へ戻ってきたこともあり、リベンジと相成ったわけです。

 果たして、結果はどうなるか?

 朝早くから行く、という定説を大きく外れ……この日は9時に家を出立し、色々と寄り道をして拠点となる道の駅『やまびこ館』に着いたのは午前10時……正直、かなりの出遅れ。

 やまびこ館へ着く頃には道中で既に同業者(釣り師)が続々と川に入って釣りをしています。

 渓流釣りでは『先行者がいる場合、後から来た人はその上流で魚を釣ってはいけない』という暗黙のルールがあります。

 それは釣ることによる『場荒れ』で魚が警戒して口を使わなくなるから……貪欲なイワナやウグイならまだしも警戒心がかなり強いヤマメは一度警戒心を高めてしまうと2~3日エサを食べなくなる、といわれるほど頑として口を使いません。

 ゆえに渓流釣り……とりわけ源流の釣行の際は皆我先にと早起きして行くんですね。

 まぁ、つまり大きく遅れをとった状態からのスタートということになります。

閉伊川水系1

 あらかた、源流域には既に人が入っているだろうと思い、手始めに川に入りやすく景色の美しい見通しの良い場所で竿を出すことにしました。

 仕掛けはウキを使わない渓流釣りの定番の『ミャク釣り』……エサは『ブドウ虫』……スタンダード中のスタンダード。

 岩の影や流れ込み、そして流れの緩やかなトロ場を探っていると……ググっとアタリが!

ヤマメ3

 掛かってきてくれたのは美しいヤマメ。

 パーマークの美しさにから『山の宝石』『渓流の女王』とも称される魚です。

 この魚を初めて釣り、その美しさに惹かれて渓流をやり始めたんですよね。

 サイズは18㎝ほど……リリース規定である15㎝は超えていましたが、リリースしました。

 もう少し大きくなってからまたおいで。

ヤマメ1

 警戒心があるヤマメが釣れたのなら、ここには誰も来ていないのでは? と思い、その場で粘ると2匹ほど掛かってくれました。

 ただし、今度はどれも15㎝以下のためリリース。

 でも、ボウズは無くなったし、リベンジは成功したので満足です!

 釣りを切り上げると時刻は昼へと差し掛かったので、再びやまびこ館へ戻り、休憩も兼ねて昼食を摂ることに……。

 目的は達成されたので切り上げても良かったんですが、まだ2時間しか経っていないので、次なるタスクは新規ポイントの開拓に時間を費やすことにしました。

閉伊川水系2

 急いで釣る必要も無くなったので、今度は少し足を伸ばして源流域へ……途中、アナグマやシマヘビに遭遇したりもしましたが自然が豊かである良い証拠ですね。

 実をいうと私、野生のヤマメは釣っているのですがイワナはまだ釣ったことが無いんですよね。

 一応、子供の頃に釣り堀で釣った経験はあるのですが、やはりここは一度で良いからイワナを釣りたい!

 そう思って、竿を出しているとなんと足元水面にリリースサイズのイワナが!

「やはりここにはいる!」

 そう俄然やる気が出てきましたが、良いポイントのはずなのになぜかアタリが全くない……その間にも足元のイワナは優雅にこちらを見ながら泳いでいます。

 大人げないと思いつつも、仕掛けをそのイワナの目の前に落としますが……あの貪欲なイワナが全く口を開けない!

 これはもしや先行者がいたか?

 代わりにかかったのはまたしてもヤマメ。

ヤマメ2

 警戒心の強い魚が釣れ、貪欲な魚が釣れないとは……。

 いや、釣れるだけ嬉しいんですが…………人間やはり恵まれると欲が出てくる業深き生き物ですね。

 しばらくそこにいましたが、結局諦めて別の場所へ。

閉伊川水系4

 他の水系ではこういう流れ込みの特に白波や泡が消える境目で食いついてくるんですが、この閉伊川水系ではそのノウハウが通じない!

 私の腕が悪いのはもちろんですが、流石はメッカなだけあってプレッシャーも相当なのかもしれません。

 涎の出そうなポイントはありますが、アタリが無い……。

閉伊川水系3

 時間は刻々と過ぎ、いつの間にか時刻は午後16時……そろそろ切り上げようか、と思った時でした。

 ググっと今日一番の引きが!

 合わせますが、すぐには引き抜けない!

 何とか水面まで上げると尺はありそうな大物が……!

 その瞬間を見た時、竿が急に軽くなりました……あぁ! しまった……バラした!

 もしかしたらイワナだったかもしれないのに……!

 その後もその場所でしばらく粘りますが、警戒してかウンともスンともいわず…………さらに雨まで降ってきたので、強制納竿となりました。

 悔しい…………これは悔しい!

 ボウズも悔しいですが、大物を目の前で逃げられるほど釣り人にとって悔しいことはありません。

 この日の釣果はヤマメが4匹、キープサイズはおらず。

 一応、リベンジは果たしましたが、試合で勝って勝負に負けたような結果となりました。

「次こそは…………次こそはイワナと尺超えを釣るぞ!」

 再びの再戦を誓い、私は盛岡へ撤退するのでありました。