〖備忘録 第120譚〗氷獄で因縁に向き合う
おばんです、シードルです。
2/8日(月)……朝5時……太陽もまだ昇らず、雪が舞う暗がりの山の中、私は独りとある場所に向かっていました。
「あれ、この導入……最近見たぞ?」という方、恐らくどこに向かっているのかもう察しがついたのではないでしょうか?
なんせ、以前のこの記事とほぼ同じ始まりですからね。
というわけで、やってきました『岩洞湖』リターンズ!

今回はいよいよ『氷上』です!
2026年の今年の氷上は2/5日に解禁されたのですが、生憎この日は仕事が入っていて行けず……ようやくひと段落したので、居ても立っても居られずに来てしまいました。
その気合の入れようは前日に上州屋で釣り券を前もって購入するほど……。

ただ、こういう気合が入り過ぎている時は何かとトラブルが発生しやすいもの……ということで、本当はメジャーなポイントである第一ワンドや堰堤側(岩洞湖最深部)、ワラビ平、水天宮前などに行きたいところをグッと我慢し、レストハウス裏手に陣を張ることにしました。

ここはまぁ、そこそこ深場があり……なおかつレストハウスにも近いので何かあった時も安心な場所です。
ドーム船で少しリハビリはしたとはいえ、環境はこちらの方が難易度として高いですからね。
今回は私一人……何かあっても自己責任。釣れなくても自己責任。

周囲にはあまり人がおらず、雪原の如く凍った湖が辺り一帯に広がります。
氷上を最後に行ったのもドーム船同様2年前……その時は初氷上デビューをし、釣り初心者の知人を誘って乗り込んだのですが、テントがうまく張れず、強風で吹き飛ばされ破損……地吹雪吹き荒れる中、青空釣り(テントなしで穴だけ空けて釣りをすること)をし、何とか4匹釣り上げ、這う這うの体で下界の盛岡市街へ帰還するという自然の洗礼を受けました。
ちなみに、その時に一緒に行った知人は冬の畑を見に行くような二枚の重ね着にコート、長靴という出で立ちだったのですが、そんな軽装備ではこの氷獄を乗り切れるわけもなく……釣りの最中に足が痛くなり、帰宅してからも足の感覚が戻らず……感覚が戻るのに半年の期間を要したとのこと。
ほんと、自然ってなめると怖いですねぇ……。

今回の釣行の目的としては飛ばされないようにテントを張ることと、電動リールで束超え(50匹以上)をすること、10㎝以上のワカサギを釣ることです。
というわけで、この日のために購入した新しいテントをさっそく展開!
前回は普通のタープのようなテントでしたが、今回はフィッシング用……しかも傘のように簡単に広げることができるDODのワンタッチフィッシングテントです。
これで少し楽になるかと思いましたが、このテント……2~3人用で一人で広げて使うには少しばかり大変でした。重くてなかなか開けない……。
さらに追い打ちをかけるように地吹雪が吹き荒れ、飛ばされかける始末……安定の岩洞湖の洗礼です。
「また俺はテントなしで釣りをしなければならないのか……」と脳裏に過る2年前の悪夢。
「いや……俺は、今度こそテントを張ってちゃんとしたワカサギ釣りをするんだ! あの時の雪辱を晴らすんだ!」
そう自分に言い聞かせ、地吹雪がやんだと同時にありったけの力を込め、気合でテントを広げ、すばやくペグを打ち込み、雪をかけて重しを作成。
前回はこのペグを打とうにも肝心のハンマーを忘れ、その辺りにあった石でやむなく打ったのでそのようなヘマは今回しません。
そうして不格好ながらもようやく設営完了!
格闘すること1時間……長かった……もうやり切りました。
まだ竿出してないけど……。

テントの中はこのような感じ……やはり2~3人用なだけあって1人だと広々と使えます。
外では再び地吹雪が吹きますが、今回は快適です。
いやほんと、雨風がしのげる環境って大事。

諸々の準備を済ませ、さっそく氷に穴を開けて仕掛けを垂らします。
さぁ、電動リールよ。今こそお前の力を発揮する時だ。

ほくそ笑みながら、糸を垂らしていたのですが……なんとここでトラブル発生!
なんと電動リールが動かなくなる事態に!
電源は点いているから電池切れじゃなさそうですが、これじゃあ釣ることができない!
仕方なく、手動へ切り替えることに……。
これで手返しのスピードは著しくダウン……。
なんだろう……岩洞湖の呪いだろうか?
だったら、ここは敢えて立ち向かってみるのも一興。
手にした手動リールと竿は1/19日のドーム船で知人に貸し、一匹も釣ることができなかったもの。
釣り竿は花巻のリサイクルショップで500円で売っていたもので、リールはメルカリで3個で1000円だったものを私が見つけてきたもの……「高い道具は釣れる」というジンクスに挑み、雪辱を晴らす……。
テントといい、タックルといい……今回は因縁ある釣行だなぁ……。

自身で選んだもの……釣れないわけがない!
そう信じて誘いをかけていると明らかな魚信(あたり)が!

無事に釣り上げ完了!
タックルもリベンジ成功です。やはり私の目に狂いはなかった……!
子供の小遣いで買える釣り竿でもちゃんと釣ることができる!
その後も次々と掛かり、期待に応えてくれました。
その後……ある程度釣り、休憩がてら外に出てみると吹雪は止んで綺麗な青空が広がっていました。
雪辱を晴らし、天気も晴れる……このうえなく終わりとしては最高の展開ですが、まだ10時なんだよなぁ……。

朝早くに起きて来て、1時間かけてテントを作り、3時間だけ釣りをして帰るのはあまりにも早すぎる。
幸いまだ人はいない……

と、思ったら反対側に集まってきていました。
さっきまではいなかったのに……恐らく、ワカサギの群れを追いかけてきた釣り人でしょう。
ワカサギは回遊する魚……そのため、テントを張って待つような釣りをするイメージですが、束超えをする大漁に釣っている人達は実はこまめに場所を変えて釣っています。
本当は私もそうするつもりでしたが……テントを張るのに体力をほぼ使ってしまったので、今日はここで頑張ります。

そうして、粘ること14時まで……なかなか良い型のワカサギを釣ることができました!
束超えはいきませんでしたが……なかなかに楽しい釣りでした。
それに釣果は少ないですが、心はなんかスッキリしたような気がします。

楽しい時間を終え、いよいよ俗世へと帰ります。
最後の難所……己との戦いです。

レストハウスだけに限らないのですが、岩洞湖のポイントの多くは駐車場から長く急な雪の坂を下って氷上へ入ります。
つまり、行きは良い良い……帰りは地獄ということです。
息も絶え絶え、寒さで体力が少ない中……滑りながら、転びながら急傾斜の雪の坂を重い荷物を載せたソリを引き、上る…………釣りをしない方からしてみれば正気の沙汰とは思えないでしょうね。
厳しい環境の中、重労働……狂人か変態しか進んでやらないでしょうから。
え、私ですか? もちろん、自覚はありますよ。

とはいえ……流石に私も人の子ですから、車に戻ると正気に戻って疲れがどっと来ます。
そんな時は帰りに薮川名物の『薮川そば』を食べて、身も心も温めるのが一番です。
レストハウスも良いですが、そばを食べるなら盛岡市街へ向かう道中にある『薮川そば食堂』さんがオススメ。

薮川そばのきつねそばを注文します。お値段も720円とリーズナブルかつ十割そばで美味い!
いやぁ~、寒い中から帰ってきて温かいものを食べる……この瞬間が生きてる喜びを実感しますね。
このお店は氷上解禁中は早朝から営業しており、日釣券の販売のほか少数ながらワカサギ用品もある釣り人の味方!
岩洞湖の行き帰りにぜひとも寄りたいお店です。

帰ってきてからも休む暇はありません。
ワカサギの下処理があります。といっても簡単ですけどね。
今回の釣果は10匹、ドーム船の時のワカサギイレブンからメンバーが一匹脱退しました。
しかし、残ったメンバーは大きく成長……もう何かの物語ですかね?

今回のメンバーは『唐揚げ』にして堪能させて頂きました。
やはり自分で釣ったものは何回食べても美味いですね!
しかし、天ぷらと唐揚げ……粉も違うのに出来上がりが大して変わらないのはなぜだろう?

因縁と向き合い、雪辱を晴らした今回の釣りでしたが、過酷な環境で過ごした代償なのか、はたまた寒さで自律神経にやられたのか……翌日は下痢と全身の筋肉痛になりました。
あ、言っておきますが食中毒とかインフルエンザとかじゃないですよ?
下痢も数回で終わりましたし、熱もありません。
体力と筋力向上が今後の課題ですね……次こそは束超え目指し、頑張ります!




