備忘録

〖備忘録 第30譚〗マウント合戦の決着

 おばんです、シードルです。

 よく年長者が若者に対して……

「まだ経験が少ないからそう思うんだ」

「俺はこれまでこんな経験をしてきたんだ。だから俺のいうことを聞け」

という場面をよく目にしますが、

あなたはその人の何が分かる?

と、たびたび思ってしまいます。

 年長者を敬う……よく儒教で聞きますね。

 確かに年上を敬うことは大事です。

 特にその道を究めた職人や仕事に関しては確かに経験豊富な人のほうがその言葉は骨身に沁みます。

 けれど、人生を説く……この点においてはいささか疑問があります。

 その教えようとしている人が自分と同じ性別、似た境遇、体格、体質、性格……ほぼ自分のクローンか、と思うほど類似しているなら納得できますが、赤の他人に対してよくもまぁ、大口叩けるなと感じます。

 アドバイスを求められ「自分も似たようなことがあったけど、その時はこうした」と経験則を語るなら良いですが「他にももっとひどいやつはいる。経験が足りないんだ」なんて言ってもその『ひどい』の基準は人それぞれなのですから、全くあてにならないと言っていいでしょう。

 人には相性というものがあるのですから、その人にとってはあまり良くない人でも自分にとっては相性が良いという人がいるのですから。

 とはいえ「あなたにその人の何が分かる?」というのは私にもいえること…………少し強く言いましたが、私にとっても経験で語る人の生まれてから現代までの経歴や心情を一からつぶさに把握しているわけではないので、逆に言い返されても分からないです。

 ただ、1つの意見として、そう感じている人もいるのでなんでもかんでも『経験』を盾にマウントは取らないでいただきたいものです。

 そう述べれば「生意気言いやがって……」と呟くと思いますが、そう思った年長者の方々は果たして何もかも若者より知っているでしょうか?

 スマホやパソコン……プログラミングといったハイテク機器の操作や最新の流行……今の若者にしか知らないことは逆にあります。

 そう述べれば今度は「若者だから……」と『若者』を盾にするでしょうが、同じような年代……あるいは上の世代の方々でもアニメや機器に興味を持ち、歩み寄ろうとする方々もいます。

 そのような方々は『経験』や『若者』などとは言わずに謙虚です。果たして同じことがいえるでしょうか?

 と、言えば「俺(私)とあの人は違う!」とまた言うでしょう。

 結局のところ何かを『盾』にして攻撃しながら逃げる……それがマウントを取りたがる人の正体です。

 これに関しては年齢なんて関係ありません。

 今回は年長者の方を例にしましたが、体格だ年齢だ、力だセンスだと次から次へとポンポン出ますので、こういう方と対峙したら謙虚に対応し、時が来たら締める……のが得策です。

 けれども、まぁ……人間とは我慢ならなくなると実力行使に出るものプライドをズタズタにされ、口と理論で太刀打ちできなければ周りにあることないこと吹聴して孤立させたり、暴力を振って意地でも従わせようとするものです。

 そうなった場合に教師や警察など指導者や治安を管理している人に助けを求めようとするでしょうが……基本、大多数の中間に位置する人や機関はほとんど当てになりません。

 明らかに過失があったり、目に余るようなことがあれば動きますが些細なことはほぼ見逃します。

 なぜかというと管理をしている以上、その責任を追及され責められるからです。

 本来なら被害が軽微なうちに動けば、大事にならずに済みますが……小さなことでも起こってしまえば管理や監督の不行き届きで自身が責められ、失墜する。

「なんでちゃんとしなかった!」と叱責されることはあっても「よく未然に防いでくれた!」と労うことはない……組織が大きい機関ではよくある話で、だから保身に走り……事が大きくなった後は取り返しがつかなくなるのです。

 こういう部分では意外と中規模の組織の方がしっかりしています。

 小規模では村八分が発生し、大規模では派閥や覇権争いなどがあるため……ほどほどの規模が管理しやすいのです。

 だから、もし実力行使をされた場合は直属の上に伝えた後にこっそりとその上に伝えるのが有効です。

 中には「顔に泥を塗った!」と思われるかもしれませんが、一度報告した以上は顔は立てたのですから気にする必要はありません。

 それでも動かなかったその人が悪いのですから……。

 それでも事態が改善しない場合はもう去りましょう。

 そして、その手の話が好きな出版社や新聞社、またはSNSメディアで流す……デジタルタトゥーはよく悪く言われがちですが、毒をもって毒を制するこの手には意外と有効です。

 まぁ、実際にはここまでやらなくても去るだけで十分です。

 戦うか去るか……選択は自由ですが、何にしても一番は『相手のことを慮り、落ちどころを見つける』のが大事です。

 自分で落ちどころを決めて納得して矛を納めるか、相手が納得して矛を納めるか……決着はその時次第で変わりますが、自身で落ちどころを見つけて納めたほうが早く解決しますよ。

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