おばんです、シードルです。
『阪神淡路大震災』から30年経った本日……発生時刻の5時46分には神戸にて追悼式が行われました。
当時、私はまだ幼児なうえ遠い岩手の地にいたということもあって直接的な関係はありませんでしたが、後に高校時代……関西方面へ修学旅行に行った際にこの震災のことをガイドの方から聞いておりました。
正直に述べると写真や映像では凄惨な光景を目の当たりにしましたが、どこか他人事のように感情を移入するまでには至りませんでした。
例えるなら、戦争の話を聞いても「そんなことがあったんだ…」くらいの感覚です。
本当にこの時までは、まさか数年後に自身が『東日本大震災』という大きな災禍に見舞われるなど思ってもみなかったのです。
あの時の震災を体験し、震災関連の追悼式を見るたび……亡くなった方やその遺族の方の辛いお気持ちがよく分かります。
大切な人、友人や仲間がいきなり……それも一瞬の出来事で失う、のは悪夢そのものです。
とはいえ、実際に身内を失った方や目の前で失った方に比べれば私の言葉も空虚そのもの……同じような体験をしたからといって、本当の意味で気持ちを理解するまでにはやはり至らないでしょう。
それでも、改めて地震の恐ろしさを知り、見知った人を失った者として……ご冥福をお祈りします。
去年の元日に起きた『能登半島地震』もそうですが、近頃地震の頻度が増えているように感じます。
最近では九州の方で震度5弱を観測し、南海トラフ地震に対する警戒がより一層強まってきました。
各家庭や自治体では防災バッグや非常食の準備、避難経路の確保なども昔に比べて重要視されており、対策と想定が成されています。
地震における被害で主に目立つのが家屋の倒壊や水道管の破裂、道路の崩壊といったインフラの壊滅ですが……一番恐ろしいのが誘発される二次災害です。
町中では火災、海辺では津波、山間部では土砂崩れ……この日本という島国にいる限り、地震による被害の射程範囲は全国全てとなります。
ある話では佐賀、岡山、富山はここ100年の間で地震の発生回数が少なく、南海トラフ地震においても地盤が固いため、被害を受けないなんていわれていますが、自然とはいつでも常識を覆すもの…………今まで大丈夫だったのに、今回ダメだったという話しはよくあるので過信するのはよくないでしょう。
ましてや、日本のどの地域でも地震は必ず一回起こっているので少なからず可能性はあるわけです。
なら、脅威から逃げられないのか?
もし、完全に逃げるのであればもう海外へ行くしかないでしょう。
日本で暮らし続けるには、リスクを軽減するしかありません。
そして、その軽減に必要なのは『準備』です。
必要な物資、食料をあらかじめ備蓄しておく、避難場所や経路を確認する、家具の倒壊を防ぐために補強する…………できることはたくさんあります。
火事のリスクを防ぐにはガスからIH調理器具に変えたり、コンセントをマメに抜いたり、燃えやすいものを電化製品や火気の傍から離したり……。
津波の場合は高台の行くためのルートを把握・確保したり…………土砂崩れの場合は地盤が緩かったり、崖近くには行かないようにしたりと対応策は様々です。
では、旅先や見知らぬ地で津波や土砂崩れの恐れが出た場合……どこに逃げれば良いでしょうか?
避難場所も避難ルートも分からない……周囲に人がいれば付いていけば良いですが、いない場合はどうしたら良いのか?
あくまで私の経験や以前に調べていた民俗の知識を駆使して述べるなら、津波が起きた際は近くの高台にある神社やお寺を目指すと良いでしょう。
大事なのは海神や水神を祀る社のような水辺にある小さな祠のある場所でなく、人が入れる社のある神社です。
昔の人の危機管理や頭の良さは現代の我々を越えていて、高台にある神社やお寺というのは万が一災害が起こってもそこだけは残るような場所に作られています。
それは御本尊や御神体を守り、人々の希望を消させないためです。
中には津波の被害を受けてしまう神社仏閣もありますが、ほとんどは古くからそこに存在しているため、被害をほとんど受けない場所に作られているのです。
まして、昔の神社仏閣は時の権力者や人々の篤い信仰により守られてきた歴史があります。
それほど大事なものですから、よく起きる地震や津波に吞まれないような高台に作られていることが多いのです。
ですから、慣れない海辺の地に着いたならまず社のある歴史ある神社仏閣がないか検索してみるのと良いでしょう。
土砂崩れに関しては地盤が緩かったり、雨などでぬかるむと崩落のリスクが高くなるので高台や拓けた場所というのは必ずしも安全ではありません。ましてや、地盤の固さなんて素人じゃ分からないですし……。
土砂崩れを避ける場合は木々が密集している山のある所に行くとリスクを大幅に下げることができます。
特に原生林かと思うほど、木々が生い茂っている所が良いですね。老木や枯れ木がある場所は避けた方が良いでしょう。
理由として丈夫な木々が生えている場所は木が地中に根を這って地盤を固定してくれているからです。
特に管理された人工林や昔から山に生えている天然林の広葉樹はその力が強いです。
さて、これらを踏まえると安全な避難場所はどこかというと…………鎮守の森を有している高台の神社が該当します。
困ったときの神頼み……だけでなく、避難場所の把握のためにも神社はときおり参拝した方が良さそうですね。