青の国『普代村』……皆さんは普代村と聞くとなにをイメージするでしょうか?
色々と思い浮かぶ人もいると思いますが、代表的なものでいったら『北緯40℃』ではないでしょうか?
でも、地理の授業などでしか聞くとのないこの『北緯40℃』……正直、どういうものか分からない、という人もいるのではないでしょうか?
実際、私も「?」という感じです。
というわけで、今回は私もその場所を詳しく知るために実際に行って見ました!
北緯40度線 上世界最東端の地
概要
田野畑村にある景勝地『北山崎』にほど近い場所にある『黒崎』……ここは三陸復興国立公園における海岸段丘の景勝地で北緯40℃線上における『世界最東端』の地です。
灯台としては『日本の灯台50選』にも選ばれており、日本海側にある秋田県男鹿半島北端の『入道埼灯台』とは対になる存在です。
歴史的背景としては灯台が建っている場所はかつて海上交通の要所であり、幕末には砲台などが設置してありました。
その後、昭和22(1947)年に地元漁協が『普代灯柱』として、設置……『普代灯台』『陸中黒埼灯台』として変化しながら現在に至ります。
アクセス
陸中黒埼灯台は『普代IC』を降り、『県道44号線』を『普代水門』のある海に向かって走ります。
海沿いを進んでいくと『国民宿舎くろさき荘』の看板と『黒崎オートキャンプ場』の入り口が見えてきますので、そのままキャンプ場に入り、奥にある『くろさき荘』を目指せば到着です。
また『三陸鉄道普代駅』からは村営バスが出ており、『北山崎展望台行き』で約15分……その後、『くろさき荘前』で下車し徒歩約1分ほどで行くこともできます。
近隣には広い駐車場があるほか国民宿舎『くろさき荘』では日帰り入浴も楽しむことができるので、休憩がてら立ち寄るのにもオススメです。
探勝レポート
それではさっそく探勝といきましょう!
今回は灯台近くにある駐車場に車を停めてスタートです。
駐車場はご覧のとおりの広々設計、駐車線はありませんがかなりの台数を停めることができます。
駐車場の向こうには国民宿舎『くろさき荘』があります。
絶景のオーシャンビューを眺めながらの入浴は最高でしょうね。
日帰り入浴も可能なので灯台散策の前後にはとても便利です。
本当は入浴していきたかったのですが、この後用事があるため今回は泣く泣く諦めます。
それでは灯台のある方へ向かってみましょう。
左にある松林も散策路があるので、軽い散歩にはちょうどいいですね。
そうして、灯台に向けて歩いていると……
いきなり巨大な地球儀が現れました。
この地球儀……一体どんなものかというと、北緯40℃のシンボルなんですね。
普代村といえばコレ、といっても過言ではないものです。
近くには『伊能忠敬測量記念碑』なるものもありました。
伊能忠敬とは江戸時代後期の実業家で天文学者で、日本地図の作者としても知られています。
歴史や地理の授業でよくお世話になっている方ですね。
よく知る人物が訪れているとなるといきなり親近感が湧くもの……我ながら単純です。
では、地球儀を詳しく見ていきましょう。
近くで見るとかなり大きいです。
各国も詳細に記載されていますね。詳細すぎて字が見えにくいのが難点でしょうか。
地球儀の前の足場は普代村の地図となっています。
聞くところによるとここに立つとソーラー発電により地球儀が回る仕掛けになっているそうですが、私が立った時は「ウィーン……」という機械音が鳴るばかりで回りませんでした。
故障でしょうか?
少し残念です。
地球儀近くからは普代村の海を眺めることができます。
この日は良い天気もあってか、空も海も青い!
とても綺麗な景色です。
また近くには少し大きめの筒のようなものがありました。
これは一体なんなのか……
よくある望遠鏡かと思ったら、なんとも厳つい砲台でした。
なぜこんなところに砲台が?
その答えは近くの説明書きに記されていました。
どうやら、昔……ここに南部藩の台場(砲台場)が沿岸警備のために設置されていたようです。
幕末の南部家文書『御分国海辺全図』という書物によると領内の太平洋沿岸沿いと津軽海峡、内海陸奥湾側に至る箇所に番所10カ所以上と砲台33カ所以上を配置していたとのこと。
さらに明治元年(1868年)の戊辰戦争では官軍艦船をここから狙い撃ちしていたとのことでした。
この辺りは切り立った崖が多いのですが、ここから船を狙えたことに驚きました。
様々な場所に歴史あり、ですね。
それでは今度は地球儀から外れて歩いてみましょう。
何やら右側が白っぽくなっていますが……何かあるのでしょうか?
広大な海を前になにやらハート型の立札と小さな鐘がありました。
これは『カリヨンの鐘』……この鐘を鳴らすと幸せを呼ぶと言われています。
何を隠そう……この『陸中黒埼灯台』は2019年に『恋する灯台』に認定され、恋人達の聖地となっているのです。
「恋する灯台」とは、一般社団法人日本ロマンチスト協会と日本財団が共同で実施しているプロジェクトで、灯台を「ふたりの未来を見つめる場所」と定義し、ロマンスの聖地へと再価値化していくことを目指しているそうで、ここの灯台だけでなく日本全国の灯台から、ロマンスの聖地にふさわしい灯台を「恋する灯台」、灯台がある地域を「恋する灯台のまち」と認定し、地域の観光資源としての灯台の価値を見直すことで灯台に訪れる老若男女を増やし、海への関心を高めていくことを目的としているそうです。
なんというか、そうなるとほとんどの白い灯台は恋人達の聖地ということになるんですね。
それではその灯台へと向かってみましょう。
灯台へは長い階段を降りる形となっています。
そして、途中の踊り場にはインスタ用のフォトフレームが設置されています。
訪れた際はぜひとも枠に入れて撮影し、投稿してみましょう。
そうこうしている内に『陸中黒埼灯台』へ到着。
青い空と海に石灰のように白い灯台がとても綺麗ですね。
夜になるとライトアップとイルミネーションもされるとのこと……昼でも夜でもロマンティックです。
灯台の中へは入れませんが、今でも現役として活躍中です。
あの頂上からの景色は一体どのようなものなのか……気になりますが、仕方ありません。
けれども、灯台に上らずとも素晴らしい景色を眺めることができます。
リアス式海岸特有の断崖に綺麗な海と空……まさに絶景。
しかもこの日は高波で少し荒れ気味のため、迫力満点!
こんな日は釣りはかえって危険……探勝をするのがベストですね。
近くには座り心地よさそうなベンチもありましたが、水がすごく溜まっており座るのは断念しました。
乾いていたら腰かけて優雅に眺めたいものです。
無論、水平線もとても綺麗に見ることができます。
地球は丸い……こんな広大な景色を眺めているといかに自分が小さなことで悩んでいるのか自覚させられますね。
さて、気分もスッキリしましたし……そろそろ戻りましょう。
帰りは松林の散策路を通ります。
途中、パイプのようなものがいくつもぶら下がっていましたが、これはなんでしょうか?
特に音が鳴ることもなく、小さな不思議を残し探勝終了。
おわりに
灯台近くにある『くろさき荘』では記念スタンプやポロシャツ(約2500円)が販売されております。
また、近くにはキャンプ場もあるので沿岸でキャンプをしてみたい初心者の方々にもオススメのスポットです。
恋人とキャンプデートをする際はぜひとも訪れてみてはいかがでしょうか。