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美田豊水の遠野盆地【遠野市‖高清水展望台】

 田植えの時期……それは田舎の原風景の中でもとりわけ美しい田んぼに水を張った光景がよく見られます。

 初夏の風物詩であり、日本をイメージする光景でもあり、ジブリ映画の『トトロ』で脳裏に焼き付いている方も多いと思います。

 岩手にある遠野市はそんな日本の原風景や習俗を色濃く残している土地ですが、岩手でも珍しい『盆地』にあたります。

 今回はそんな遠野盆地を一望でき、冬の早朝には雲海も見ることができる展望台をご紹介します。

遠野盆地を眺望できる高台

概要

 遠野市は岩手県の南東部に位置し、四方を北上高地の標高の高い山々(早池峰山、石上山、六甲牛山)が囲っており『遠野盆地』と呼ばれる土地を形成しています。

 盆地特有の昼夜の寒暖差が大きく、夏でも夜は涼しくなるなど岩手でも珍しい気候に属していますが、内陸と沿岸を繋ぐ市であり、南部藩と伊達藩の境となっているなど昔から人の往来が盛んな地でもあります。

 そんな遠野市を一望できる場所で有名な場所としては遠野南部氏の居城であった鍋倉城址に造られている鍋倉公園でしょう。

 ですが、鍋倉公園から見ることが出来る景色は遠野市街地が関の山……山々を含めた本当の『遠野』の姿を見ることが出来るのは高清水高原にある『高清水展望台』です。

オススメの時期

 時期としては初夏(6~8月)秋(9~11月)がオススメです!

 その理由として以下のことが挙げられます。

時期詳細難易度
初夏(6~8月)田んぼに水が張り、田畑や山々が緑に覆われ、青い空とのコントラストが美しい時期です。初級
・木々は生い茂りますが、見通しが良く行きやすいです。ただし、クマやハチには注意してください。
秋(9~11月)早朝や雨の後といった寒暖差により雲海が立ち込める幻想的な時期です。中級
・早朝に行くため早く起きる必要があります。また、落ち葉などが濡れているため、道路が滑りやすくなっている他、雲海を求めて多くの撮影者が訪れるため、早く行かないと見ることができない、といった状況になる場合があります。

アクセス

『高清水展望台』は石上山の麓にある高清水高原にあります。

 盛岡・花巻方面から遠野へ行く場合は……

①国道4号線(または花巻バイパス)から国道283号線(東和方面)へ曲がります。

②そのまま真っすぐひたすら進み、道の駅 みやもりの手前にある十字路を左(県道161号線)に曲がり、そのまま進んでT字路を右(国道396号線・遠野方面)に曲がります。

③さらにそのまま真っすぐ進み、郵便局がある十字路を左(小さいですが『石上山登山口』という杭があります)に曲がります。

④曲がって少し進むと『砂子沢地区コミュニティ消防センター』さんの手前にあるY字路(『湯殿山』の石碑)を右、少し先にあるT字路を右、すぐ近くにあるT字路を左に曲がり道なりに進むと展望台に到着できます。

※④からが展望台のある高清水高原への入り口となっており、ここから道幅が狭くなります。

 沿岸・遠野方面から行く場合は遠野市内から綾織地区を目指し、②からの道順となります。

 テレビや雑誌、ネットなどで近頃話題に上がりやすい『高清水展望台』ですが、入り口から展望台までの道中は一方通行のように道が狭く、曲がりくねっているうえ、側溝もあるので車の脱輪や事故などに注意が必要です。

 特に人気となる雲海の時期ともなると早朝から多くの人が訪れるため、渋滞にもなりかねます。

 初見や車の運転に不安がある方は初夏や日中の時期に行くことをオススメします。

 また、遠野市を一望できるスポットとして夜景も綺麗ですが、夜間の場合は道中に外灯もなく前述の道の狭さと側溝のリスクが大きいため、よほど運転や場所に慣れている方か何かあっても対処できるように複数人で行くようにしましょう

 ちなみに冬期は12月~5月頃にかけて道路は通行止めとなっています。

探勝レポート

 それでは早速、探勝レポートといきましょう!

 今回は道幅が狭くなる高清水展望台への道中から紹介です。

高清水展望台 道中

 こちらは道中のところどころある待避所にて撮影したものです。

『高清水展望台』への道中はご覧の通り、車一台分が通れる広さしかありません。

 崖のあるところではガードレールもありますが、無い場所も存在します。

 早朝のまだ薄暗い時間では事故や転落に注意しなければいけませんね。

高清水展望台 道中2

 待避所自体も幅がそこまで広くないので大型車だとさらに難易度が上がります。

 電柱はありますが、外灯はありません。

 このような道路を道なりに上って行くと……頂上付近で拓けた場所に出ます。

 近くに小屋のような建物を見つけた場合は、そこが『高清水展望台』です。

高清水展望台 駐車場

 展望台には一応駐車スペースがあります。

 とはいえ、ちゃんと整備された駐車場というわけではなくイメージとしては道中の待避所より少し広いくらいです。

 停められる台数としてはギリギリ詰めれば普通車が約6~7台ほどでしょうか?

 小規模のグループなら問題なく停められます。

 そして、駐車スペースの近くにある小屋。

 こちらが『高清水展望台』になります。

 それでは、中に入ってみましょう!

高清水展望台 内装

 中は外観に比べて広く造られています。

 木造なのまた良いですね!

高清水展望台 内装2

 椅子も全て木造……山林豊かな遠野ならではですね!

 そして、展望台からの眺めは……

高清水展望台 眺望

 シンプルに言って……絶景です!

 遠野市全てが丸わかり! 南部遠野氏の居城である鍋倉公園まで山ごと見ることができます。

高清水展望台 遠野の山々

 遠野を囲む山々もこの通り……はっきり見渡すことができます。

高清水展望台 左手の眺望

 水の張った田んぼの景色もまた格別ですね!

 この日はあいにく、曇り空のため青空を映す田園は見られませんでしたが逆に雲を近くに感じることができました。

 秋の早朝になればこの土地一帯が雲に覆われ、山と雲しかない雲海になると思うとワクワクしますね!

おわりに

 今回は初夏の遠野の風景を眺めることができる高清水展望台を紹介しました。

 雲海の光景もいずれ見てみたいと思いますが、早朝が苦手……私のように山道の運転に自信がないという方は日中に訪れてもこのような素晴らしい景色を拝むことができます。

 また、遠野は個人的に風が強いイメージがあります。

 この夏は晴れ渡る山の上から風を浴びながら、遠野を一望してみてはいかがでしょうか?

 とても清々しい気持ちになって、風とともに日頃の悩みを吹き飛ばしましょう!

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