皆さんは『シダレカツラ』という木をご存知でしょうか?
「もちろん知っている」……そんな方もいるかもしれません。
けれど、それはカツラではなくサクラではないでしょうか?
シダレザクラは様々な桜の名所で見かけると思いますが、実はシダレカツラというのはなかなかお目にかけることができない樹木です。
今回はそんなシダレカツラを町中で見ることができるスポットをご紹介します。
商店街の一角に聳えるシダレカツラ
概要
そのシダレカツラがあるのは盛岡市の肴町商店街のすぐそばです。
『さんさ踊り』や『チャグチャグ馬コ』といったお祭りでも賑わう肴町ですが、意外と歴史があるものが点在しています。
ここにあるシダレカツラは盛岡市でも3株しかない内の1株で、学術的観点から見ても非常に貴重なものとされています。
何が珍しいのかというと、通常カツラの枝は落葉広葉樹であるため直立型に生えていくのですが、枝が垂れ下がるように伸びていくのは極めて奇妙なのだとか。
その奇妙さから植物学の権威である三好学氏の現地査察により「他に類を見ない珍木」として大正13年(1924)に国指定の天然記念物として指定されました。
経緯
さて、そんなシダレカツラは一体どのような経緯で見つかったのか?
歴史としては約350年前に原木が岩手県大迫町内川目の山中で発見されたことからはじまります。
その後、同町の岳地区にある妙泉寺(早池峯神社)境内に移植され、この原木のひこばえ(切った幹や根本から眠っていた芽が起き出したもの)が盛岡市大ケ生の瀧源寺に植えられました。
しかし、天保6年(1835)に寺の建材用に伐採されています。
現在、瀧源寺に現存するシダレカツラ(幹周約4.4メートル)は伐採されたカツラのひこばえが成長したもので、肴町のシダレカツラは約130年ほど前に瀧源寺から株分けして植栽されたものです。
そうして、現在は瀧源寺と肴町および門地区にある関口家の3カ所に現存する、とされています。
アクセス
そんなシダレカツラは肴町商店街裏の駐車場(INDYさん駐車場内)で見ることができます。
シダレカツラは無料で見ることができますが、シダレカツラのある駐車場内は有料駐車場(30分毎に100円)となっているので、車で乗り入れる場合はお祭りやイベントなどの行事のついでに行かれるのがちょうど良いでしょう。
肴町近隣で行われる大きなお祭りとしては『チャグチャグ馬コ』『さんさ踊り』『盛岡八幡宮例大祭(盛岡秋祭り)』などがあります。
チャグチャグ馬コについてはこちら▼の記事に詳しく記載しています。
探勝レポート
それではさっそく探勝といきましょう!
今回は駐車場内にあるため、いつもよりも早くご紹介できます。
こちらが駐車場入り口となりますが、もう目の前に大きく聳え立っているのを確認することができます。
もう少し近づいてみましょう。
手を広げるかのように悠々と聳え立っています。
都市部の中心地にこれだけ大きな木があるのも珍しいでしょう。
木の周囲にはフェンスが四方に張られており、さらにそのフェンスを覆うように草木が生い茂っています。
二重の守りを固めて万全ですね。
フェンスの一角には由緒書きもあり、前述した経緯を知ることができます。
訪れた時は夕方のため、夕日の逆行に照らされ、どこか神々しい姿になっています。
神社やお寺から経ていることを考えると霊験あらたかな御神木といっても過言ではないでしょう。
もしかしたら、この木自体がパワースポットになっているかもしれません。
おわりに
町中に聳え立つシダレカツラはどこか神々しい雰囲気を漂わせていました。
こちらの駐車場はINDYさん駐車場内にあるので、手を合わせて祈れば大勝できるかもしれません(笑)
もし、そうなれば新たなパワースポットの誕生となるでしょう。
皆さんもお祭りや用事で近くに立ち寄った際は訪れてみてはいかがでしょうか?