〖備忘録 第129譚〗幼少の思い出に勝るものなし
おばんです、シードルです。
沖縄は梅雨明けとなりましたが、まだまだ梅雨真っ只中の東北地方の今日この頃……皆様、いかがお過ごしでしょうか?
クマの話題が少し沈静化したかと思えば、今度は川の氾濫に多発する地震……空気はジメジメ、気分は鬱々……このままでは心の中までカビてしまう!
そう思った私は、7/4の日中に我が故郷……紫波町へ。

国道から逸れ、北上川を越えて……やってきたのはフルーツの里、赤沢地区。
広がる山々と田園風景、流れる川に澄み渡る青空……これぞまさに日本の田舎の風景ですね。

岩手の中で遠野は『日本の原風景』と称される地ですが、それよりも少し近代的な『懐かしい田舎の風景』が広がるのは紫波だと個人的には思っています。
まぁ、故郷フィルターも作用しているのでしょうが……。

足元の草原にはヤゴから羽化したばかりのトンボがいました。
大きさと色合いから見るとオニヤンマでしょうか?
こういう光景……子供の頃はよく見ていましたが、大人になってからは貴重な光景になりました。
なんだか目が潤んできた……。

辺りを散策しているとなんだか魚が棲んでそうな淀みが……たまらず竿を出してみることに……。

仕掛けを投入してほんの数秒でアタリが!
掛かってきたのは手のひらサイズのアブラハヤ。
体が油のようにヌルヌルしていることからそう呼ばれるようになった魚です。
よく童謡の『故郷』では小さい頃から慣れ親しんだ魚として「小鮒釣りしかの川~」と言いますが、私にとってはこの魚こそが小鮒に匹敵する魚ですね。

釣りは今でも何度かやっており、綺麗な魚、珍しい魚、大きな魚を求めがちですが……そのどれにも当てはまらないこのアブラハヤこそが何だか安心できる魚ですね。
一年に一回は必ず釣りたい、と思うのですよ。
どんなエサでもすぐに食い尽くし、針は吞まないし……もし、人生で最期に釣ることができる魚は何が良い? と聞かれたらアブラハヤと答えます。
この日の釣果は短時間のため3匹。

名所や綺麗な場所、絶景といわれる場所など色々と行きましたが、なんというか……やはり子供の頃から慣れ親しんだ土地と景色に勝るものはありません。
普段なら「飽きた」だの「つまらない」などと口にするのですが、いざ長期間離れてみると「やっぱりここが落ち着く」となるんですよね。
嫌よ嫌よも好きの内……人間とは我儘な生き物です。

友達と外に遊び、釣りや虫捕り……または何かで遊び、遊んだ後は駄菓子屋でお菓子やアイスを買う……。
大人になった今は道の駅でジェラートと少し豪華になりましたが……これもまた良き思い出です。

昔はよく独りで山や川に行ったりしましたが、現代では熊や熱中症などの脅威が勢いも増して、そんなことも出来なくなりました。
現代人が軟弱になったのか、はたまた時代と環境が変わったのか……懐かしい風景を眺めながら少し寂しい気持ちになってしまいました。
気分を入れ替えるため、久石穣の『summer』を脳内で再生させながら、私は盛岡へ向けて里山の道路を車で走るのでした。




