岩手はその地名ゆえなのか、巨岩や奇岩といった岩にまつわる場所が多くあります。
ある場所では御神体として祀られていたり、またある場所では太古の息吹を感じさせるものまで存在します。
特に三陸沿岸ともなれば2011年の東日本大震災を皮切りに災害理解も兼ねた『三陸ジオパーク』も相まって、何かと話題になっています。
今回はそんな海の巨岩を楽しめる場所、穴通磯をご紹介します。
三陸の海が作り出した巨大な磯穴
概要
大船渡市にある景勝地にて三陸ジオパークを担う一角『碁石海岸』のすぐ近くに巨大な岩『穴通磯(あなとおしいそ)』があります。
この穴通磯は長い年月をかけて海水の浸水により、洞門と呼ばれる三つの巨大な穴が空いているのが特徴です。
まさに点滴岩をも穿つ……何億、いやそれ以上ともいえる悠久の時が作り上げた神秘の場所といえます。
穴通磯へのアクセス
『穴通磯』は景勝地である『碁石海岸』から行くと車で約5~8分ほど、徒歩の場合は約45~50分ほどで到着することができます。
道中では『穴通磯』までの案内板が随所にあるため、看板に沿って行けば迷う心配はありません。
トレッキングを楽しみながら行くことは可能ですが、手早く名所を巡りたい方は車で行くのがオススメです。
というのも『穴通磯』の入り口前にはトイレ完備の広い駐車場があるからです。
また、近年ではツキノワグマが市街地に出現するケースもあり、人家が近くにあるとはいえ、駐車場周囲は森に囲まれているので、安全面を考慮するならば車がベストです。
探勝レポート
それではさっそく探勝レポートへ移りましょう!
今回は『穴通磯』の駐車場からスタートです。
駐車場には駐車の区画線はありませんが、かなり広くなっておりどこにでも停めることができます。
恐らく観光バスの駐車も兼ねてでしょうが、どこに停めなければいけないと指定されていないぶん、自由に停めることができるのはありがたいですね。
ちなみにこの日は私以外は誰も来ませんでした……(^_^;)
公衆トイレも大きく、ゴミ箱も数個あるため小休憩するのにもちょうどいい場所です。
そしてこちらが『穴通磯』への入り口となっています。
看板にもある通り徒歩3分と駐車場からの距離はかなり短いです。
しかし、徒歩3分とはいえ道は少し険しいもの……荒れてはいないもののやや高低差のある坂や少し薄暗い林道を一人で歩くのは勇気がいります。
特に訪れたこの時期はクマの出没注意が至るところで騒がれている最中なので、心中穏やかではありませんでした(;・∀・)
道中の高低差はこのように緩やかで階段自体も幅があり、手すり完備とやさしい設計になっています。
階段の傍には雨水の排水用の側溝と自然のスロープがあるので、車椅子を使用している方でも安心して行き来することができます。
注意することといえば、スロープの幅はそこまで広くないということ……ところどころに木の根が地面から出ているので段差が僅かにある、ということでしょうか。
とはいえ、足元に気をつけていれば大丈夫です。
そうして、しばらく進んでいると……
終点である休憩所の東屋が見えてきました!
さらに目の前には……
名勝『穴通磯』が現れました!
空と海の青さに立派な岩がよく映えます。
この『穴通磯』のある海岸線は約6kmにおよぶ『碁石海岸』に属しており、その海岸は約1億3千万年前(中生代白亜紀)の海に砂粒の固まった層と泥の固まった層が交互に堆積したものが岩盤となり、せり上がってできたものといわれています。
『穴通磯』はその地層が波によって削られ、3つの穴ができたものとされています。
ちなみにこの『穴通磯』の穴は遊覧船でくぐることができます。
その名も【碁石海岸穴通船 碁石海岸アドベンチャー】
料金は大人が一人2500円、小学生以下は1000円となっており受付は6~11月の9~15時となっています。
なお、乗船の場合は予約が必要となり、運行は2人から可能となっています。
詳しくは以下にお問い合わせください。
電話 | 0192-29-2359(碁石海岸インフォメーションセンター) |
定休日 | 不定休(天候によって運航できない場合があります) |
おわりに
『穴通磯』の洞門は「穴を通り抜けると幸せになる」といわれています。
また、今回紹介した『穴通磯』の展望台はアクセスが容易であり、駐車場からの距離も近いため老若男女問わず誰でも気軽に行くことができる景勝地です。
これを機に『三陸ジオパーク』を知るきっかけになれれば幸いです。
岩手の三陸沿岸を巡りながら母なる海、雄大なる自然の力をぜひとも感じてみてください!