花巻市大迫町は霊峰『早池峰山』の麓にあるワインで有名な山間の町です。
そんな大迫町に来た際……まず多くの人が目にするのは町の南側の山の上に立つ巨大なモニュメントでしょう。
あれは一体なんなのか?
そんな疑問を持つ人が多くいる一方、行っていい場所なのか? そもそもどうやって行くのか?
疑問が次々と湧き出る謎の場所……私自身も疑問に思い、知人に聞いてみるも「分からない」という返答ばかり……。
これは自分で解決するしかない!
百聞は一見に如かず、一見は一行動に如かず……そんな感じで今を生きている私は己の疑問を解消するべく実際に行ってみました。
ということで今回は大迫町にある早池峰山よりも目立つモニュメントについて調べてみました。
宿場町を一望できる地
概要
まずは大迫町について簡単にご紹介しようと思います。
大迫町は花巻市に属している町でキャッチフレーズとしては『神楽とワインの里』。
岩手でも有数のぶどうの産地で、そのぶどうから作られるエーデルワインは絶品の一言に尽きます。
そんなエーデルワインを実際に飲んでみての感想はこちら。
また、国定公園に指定され、高山植物の宝庫にして山岳信仰の霊場でもある早池峰山の麓にあり、国の重要無形民文化財に指定されている『早池峰神楽』が古より連綿と受け継がれています。
そんな大迫町は岩手のほぼ中心部にあり、古くから内陸と沿岸を結ぶ要所であり宿場町として発展してきました。
今でも旧家の『ひな祭り』や『あんどん祭り』なのでその歴史の一端を偲ぶことができます。
さて、話しを戻し……例のモニュメントがあるのは大迫町の『向山』という山であり、現在では『向山森林公園』という名で平成10年に完成されたそうです。
その森林公園の中にあるのが今回目指す『向山展望台』というわけです。
アクセス
向山森林公園へは大迫町内に入る形で大迫野球場(楽天イーグルス大迫野球場)を目指し、そこから山道をひたすら上るように走ると到着することができます。
ただし、この向山森林公園への道はとても分かりずらいところにあり、なおかつ道路の幅も狭いです。
まず大迫町内に入る場合は盛岡・花巻方面からだと県道43号線をひたすら走ります。
すると町に入る所でローソンがあり、道が二手に分かれています。
その道を右に曲がり、まっすぐ稗貫川沿いに走っていると川に橋が架けられています。
橋を渡ると小さいですが、向山展望台の案内板が出るので、そこからは案内板の矢印に沿って野球場を目指します。
そこから道なりに進むと森林公園に入り、展望台へ続く駐車場につきます。
遠野方面からでは国道396号線を進みスーパー『みずかみ』さんを進んだ先にある交差点を左に曲がり、まっすぐ進むと稗貫川に架かる橋に到着することができます。
山道の道路は舗装されており、整備もちゃんとされていますが道路の幅が少し狭いので大型車ですれ違う際は注意が必要となります。(軽自動車程なら不安はありません)
また、山中の道路で広葉樹が多くありますので秋の季節や強風の後…雨が降った後は葉っぱによって滑りやすくなっていますのでバイクなどの単車で向かう際は十分に気を付けてください。
駐車場に関しては山道を上った先にある展望台へ続く道の入り口に広いスペースが確保されています。
駐車線はありませんが、乗用車は5~6台ほど停められます。
探勝レポート
それでは探勝レポートに入りたいと思います!
今回は向山森林公園の展望台入り口の駐車場からのスタートです。
『倒木注意』の看板のある階段から向山森林公園の展望台へ続く散策路に入りますが、その前にこの駐車場をぐるりと見渡してみましょう。
このように駐車場は結構広い造りとなっており、大型車が数台停めてもUターンに使うこともできます。
ただ、外灯はないので暗い時間に来るのはあまりオススメできませんね。
こちらは駐車場までの道中……かなり狭いというわけじゃないですが、小型車が2台すれ違うだけでやっと、といったところです。
道路は亀裂などがあまりなくちゃんと整備されており、走りやすかった印象がありましたが側溝があるうえに木の葉などが大量にある際は滑りやすいという不安要素がありますので、脱輪などが怖いところです。
なんにせよ、安全運転が第一です。
さて、こちらの話しも少し脱輪してしまったので、そろそろ本筋に戻りたいと思います。
こちらの看板は駐車場にある向山森林公園の案内図となります。
画像では少々見づらいと思いますが、向山森林公園には四か所のポイントがあり、今回目指すのは左上にある『展望の森』にある展望台ということなります。
それではいよいよ階段を上って森の中に入っていきましょう!
入り口から森の中に入るとこのような景色ばかりの道を進むことになります。
道の周りは小石があり、山の中にしては歩きやすい方ではありますが……周りは木々と茂みに囲まれており、見通しはあまりよくありません。
正直、熊が出没してもおかしくはありませんし、遭遇してすぐ襲われても不思議でない感じがありました。
少し進むと見通しは良くなりました。
これくらいならば、ある程度の距離で動物を見つけることができるでしょう。
やや平坦なこともあり、歩きやすいです。
途中、展望台が見えてくると道中で階段が現れます。
こちらの階段はなだらかな場所にあったためか段差もしっかりとされており、歩くのにもちょうど良かったです。
展望台近くまで来ると所々に松の木も現れ始め、ハイキングをしているような感じになります。
広葉樹ばかりに囲まれるとなぜか不安と鬱蒼とした雰囲気になりますが、松の木などが生えていると明るく安心して見えるのはなぜでしょう?
きっと葉が大きいか細いかの違いで日当たりの程度が違うからだと思いますが……。
そんなことを思いながら歩いていると……
ついに展望台に到着することができました!
意外としっかりとした造りのように見えます……もっと詳しく見てみましょう!
展望台への階段は木造の立派な階段です。
なにかCDとかのジャケットで撮られてもおかしくないですね。
こういう階段は私は好きです。
階段を上るとなかなか壮観な風景で意外と高く、そして急……!
ただ、大人数が乗っても穴が空くことがなさそうな階段なので安心して上ることができました。
そして、そんな階段を上がった展望台からの景色が……こちら!
一面の山々!
どこを見渡しても木! 木! 木! の森ばかり……
少し進んでもやはり山ばかり……はて、じゃあ町から見えていた権現様のモニュメントは嘘だったのか?
……いいえ、こちらは町の反対側の景色です。
ご覧の通り、大迫町がいかに山に囲まれているかこれでお分かりいただけたかと思います。
それでは、皆さんが期待していたであろう景色をお見せいたしましょう!
それがこちら!
こちらが展望台から見た大迫町の景色です!
いやぁ~、まさに絶景!
熊に怯えながら来たかいがありました。
神楽とワインの里……秋になればぶどう畑が見え、晴れた日には早池峰山が見える……筈ですが、この日は曇り空でまだ秋ではないので両方見ることはできず。
しかし、これでも綺麗な景色であることには変わりません。
こちらはやや左側……盛岡方面側ですね。
ぶどう畑がよく見えますが、下半分がほとんど木々に覆われてしまっています。
けれど、上から見渡すことで分かることがある……かつて宿場町として栄えた山間の町、その全貌を見ることができて私は満足です。
大迫町を見ることができるポイントはこの木製のベンチがあるところ……定礎が目印の場所ですね。
この場所は絶好のビュースポットです!
ところで、この権現様……中に入ることはできるのでしょうか?
展望台には入り口らしきところは無かったのでもう少し探索を続けてみましょう。
探すと展望台下にも通路はありましたが、入り口らしきところはありませんでした。
どうやら権現様の中には入ることができないようです。
ちなみに奥の方に休憩用のベンチがありますが、目の前は木々ばかりなので景色を見て休むなら展望台が断然オススメです。
これ以上はなにも見つけられなかったので、今回の探勝はこれにて終了となりました。
おわりに
謎の権現様……その正体は大迫町を一望することが素敵な展望台でした!
これからもその圧倒的な存在感で町を見守ってくださるでしょう。
今回は道中で動物に遭遇することはありませんでしたが、安全のためにもクマよけの鈴やスプレーを持ち歩くこと……また整備されているとはいえ、山の中で人気がないので油断はせずにちゃんとした装備で行くことをオススメします。
何事も安全第一!
そんな精神で臨めば、自然と楽しく遊ぶことができるでしょう。
皆さんもハイキングがてらに山間の町の景色をぜひともご覧になってください!