岩手は県名に『岩』という字が使われているからか、岩にまつわる話や奇岩が多く見受けられます。
特に『三陸ジオパーク』とよばれる沿岸周囲は太古の地層や化石、鉱物資源が多くみられるほか、リアス式海岸による特殊な地形も相まって美しい海岸線を形成しています。
そんなジオパークの最北に位置する久慈は琥珀の産地で、大昔の地層の影響が色濃く出ています。
今回はそんな久慈の『小袖海岸』にある奇岩をご紹介します。
兜を被った巨大な奇岩
概要
久慈市の沿岸域には『小袖(こそで)海岸』という荒波と大岩が特徴的な海岸があります。
なにを隠そう……この小袖海岸は、あの朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台になった場所でもあります。
岩手といえば『あまちゃん』……もうそれが浸透しているくらい有名なので、隠さなくても皆さんはご存知ですよね。
そんな小袖海岸は景勝地としての側面もあり、海女さんの素潜りが実演される小袖漁港の海女センターまでに名所とよばれる場所がいくつかあります。
『兜岩』はそんな名所の中でも一番初めにお目に掛けることができます。
アクセス
『兜岩』は小袖海岸に入った際に見ることができます。
久慈市街地から『県道268号(野田長内線)』を海岸に向かって進み、海沿いを走ります。
場所としては小袖海岸のもう一つの名所『つりがね洞』の一つ前……トンネルに入る前にあります。
目印として近くに『兜岩』の看板と市民バスの『浄土ヶ浜』のバス停があります。
宮古市にも同じ名前の景勝地『浄土ヶ浜』がありますが、こちらとは別なので注意しましょう。
道路幅は曲がり角が多く、所によっては道幅が狭くなったりしているのでカーブミラーなどを利用しながら安全運転で行きましょう。
探勝レポート
それではさっそく探勝といきましょう!
今回はバス停近くのスペースに車を駐車し、スタートです。
『兜岩』周辺の久慈の海……この日は晴天に恵まれたこともあってとても綺麗です。
そして、反対に目を向けると……
看板とともに『兜岩』を発見!
徒歩数分どころか首を捻るだけで見ることができます。
ここからでは少し遠いので近づいてみましょう!
海岸には柵があるので近づくには限度がありますが、全体が見られる部分まで来ました。
皆さんは名前の由来がどこから来ているか分かりますでしょうか?
ちなみに私は調べるまではほとんど検討がつきませんでした。
答えは……画像の右側にある大岩に注目してください。
頂のほうに二本の角のようなものがわずかに見えるのがお分かりになるでしょうか?
この角のようなものが兜の前立てに見えるところから『兜岩』と名付けられたそうです。
私は寧ろ、鬼の角のように見えたので『鬼が岩』とか『鬼が島』といわれたほうがしっくりくる感じがしましたが……昔はもっと兜に近かったのかもしれません。
おわりに
久慈の奇岩『兜岩』……三陸ジオパークならではともいえる沿岸らしい奇岩でしたね。
小袖海岸にはもう一つ『つりがね洞』と呼ばれる奇岩が近くにあるトンネルを抜けた先にありますので、ぜひとも見ていってください。
琥珀に奇岩に化石……希少な石や岩の宝庫でもある三陸地域を訪れ、ぜひとも楽しんで行ってください。