湿度が日に日に高くなってくるこの季節……今回は梅雨も近いのでそれに関わるものを紹介していこうと思います。
(関東ではもう梅雨入りだそうですね……桜といい、今年の季節は早い……)
とはいえ、アジサイはまだ咲いていないし……良い結婚式場を紹介する……というわけにはいかないので、私は雨の日にオススメなスポットを紹介しますね。
岩手の様々な起源となった神社
概要
私が今回紹介するのは盛岡市内にある三ツ石神社です。
あれ、聞いたことあるぞ? という方もいるかもしれません。
はい、その通り! 云わずとしれた岩手の名前発祥の地ですね。
ただ、謂れに関しては岩手の名前だけじゃないんですね。
ここにいくつか私が調べたものを載せていこうと思います。
その前にいくつかの由来の元となっている伝承を先に述べましょう!
昔、羅刹鬼という鬼が里人や旅人に悪さをし、困り果てた里人たちは「三ツ石様」に「悪い鬼を懲らしめてください」とお願いしたところ、三ツ石様がたちまちに羅刹鬼をこの3つの大岩に縛り付けた。仰天した羅刹鬼は降参し、二度と悪さはしないこととこの土地に来ないことを約束し、証として石に手形を残して南昌山の彼方に逃げ去った
Wikipediaより引用……一部加筆、編集あり
大まかな昔話はこの通りとなります。
詳しいものはこちら……
それでは、ここからそれぞれの由来を載せましょう。
『岩手』の由来
伝承にあった「証として石に手形を残した」(実際には岩ですが……)という「岩に手形」が岩手の名前の由来となっています。
三ツ石神社では境内にある岩にその手形を見ることが出来るといわれています。
『盛岡』の由来
伝承にあった「二度とこの土地に来ない」というところから「不来方(こずかた)」という地名になったといわれています。
現に盛岡城の別名は『不来方城』であります。(ちなみに矢巾町にも不来方高校という県立の高等学校があります)
しかし、江戸時代初期頃……三戸城下から進出した時の南部藩主『南部利直』がこの名を「心悪しき文字」と忌み嫌い、永福寺の裏山「森ヶ岡」からとって、しばらく森ヶ岡と呼ばれるようになりました。
その後、利直が地名を「盛り上がり栄える岡」という願いを込め、現在の「盛岡」になったと伝えられております。
※ただし、諸説あります。
因みに宮沢賢治の詩碑や石川啄木の
不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心
という有名な歌碑から盛岡城と不来方城は同一の扱いを受けていますが……実はこの二つ、別物らしいです。
実際は南部氏の臣下である福士慶善淡路が不来方の地に設けた「慶善館」という城が本来の不来方城で、その後不来方の地に来た南部氏が福士氏を遠ざけ、築城したのが盛岡城らしいです。
(とはいえ、盛岡城完成までに南部氏は居城として使っていましたが……)
さんさ踊りの由来
鬼の退散を喜んだ里人たちが三ツ石のまわりを「さんささんさ」と踊ったのがさんさ踊りの始まりといわれています。
さんさ踊りは現在「世界一の和太鼓の祭り」としてギネス記録に登録されたり、東北五大祭りの名称を挙げて精力的にPRしていますね。
これだけ古い謂れがありますが東北六県の主要な祭りの中では歴史が浅いらしいです。
ただ……皆さん、お気づきでしょうか?
東北は六県あるのになぜ五大祭りなのか?
一つ足りないじゃん!? 誤字か? という方……残念ながら誤字ではございません。
実は五大祭りは「自称」で加わっているんですよね。元は東北四大祭り(宮城の仙台七夕まつり、青森のねぶた祭り、秋田の竿燈祭り、山形の花笠祭り)で、岩手と福島は入っていないです。
因みに福島も郡山うねめ祭りを「自称」で東北五大祭りとしています。(これには、岩手のさんさ踊りは入っていません)
……うーん、なんだか闇深いものを感じざるおえません!
ただ、東北六魂祭(現在の東北絆まつり)で遂に東北六県の祭りが一堂に会したので確執はなんとか抑えられたんですかね?
なにはともあれ、終わりよければ全てよし!
御祭神と御利益
祀られている神様については以下の表に簡単にまとめてみました。
詳細に関しては別の機会に記そうと思います。
御祭神 | 御利益 |
少名彦尊〔すくなひこのみこと〕 | 医療の神にして温泉の神 対象:病気平癒 |
稲荷大明神〔いなり だいみょうじん〕 | 五穀豊穣を司る神 対象:家内安全・商売繁盛・交通安全 |
この他、増産や縁結びにも効果があるとされていますが、鬼を追い払い、封じたことから邪気祓いに強いご利益があるといわれています。
節分の時期にはぜひとも無病息災を祈り、お参りしたいですね!
アクセス
さて、そんな様々な起源となった三ツ石神社ですが、場所はというと閑静な住宅街の中にあります。
駐車場もあるので、自家用車で行けないことはないですが道路が狭いのでタクシーまたはバスといった公共交通機関を利用して行ったほうが安全かつ確実な方法だと思います。
所在住所 | 〒020-0016 岩手県盛岡市名須川町2-1 |
交通機関 | 〔タクシー〕JR盛岡駅から約10分ほど 〔バス及び徒歩〕JR盛岡駅バスで約11分 本町通り1丁目から徒歩で約10分 |
駐車場 | 公衆トイレの近くにあり。無料(約3~4台分) |
なお住宅街の中にあり、近くには学校もありますので朝方や夕方などの通勤、通学、帰宅時間の混み合う時間帯は車の運転に注意してください。
また、道路が狭いので路上駐車は絶対にお止めください。(このブログではお決まりのセリフですね……(^_^;))
境内散策
それでは早速、神社の中を散策してみましょう!
まず、駐車場から……
少し見づらいですが、奥にある消火栓の標識の後ろにある派手な建物が公衆トイレになります。
駐車場はその隣にある砂利場となっています。
……木が邪魔して広さが分かりづらいですが、3~4台ほど停められる空間があります。
たまに昼休憩で車を停めている方もいますが、それでも十分停められることが出来ます。
オススメはやはり平日の午前中から15時くらいですね。
通る人も少ないのでのんびりと独りで散策出来ますよ!
はい、続いてこちらが三ツ石神社の鳥居となります。
鳥居も見事な石造りですね。
それでは、このまま境内の中へと入っていきましょう。
境内は少しこじんまりとしていますが、石碑や御神木などがところ狭しと詰め込まれています。
私は大きなケヤキの木が御神木かと思っていましたが、どうやら細いイチョウの木が御神木のようです。
反対側には見事な桜の木が……咲いている時期からいつ頃に来たのか分かりますね(^_^;)
梅雨に関わるものと言いつつ、春の終わり頃に撮影したもので申し訳ありません……。
さて、気を取り直して……今度は社殿の方を見ていきたいと思います。
こちらが三ツ石神社の社殿となります。
一般的な神社とは少し雰囲気が異なるようです。
ちなみに画像の看板にもありますが、三ツ石神社の御朱印は櫻山神社にて授与されるようです。
御朱印を集めている方は先に三ツ石神社に参拝後、櫻山神社に参拝するといった形が良さそうですね。
……右に写っている大きな岩が気になると思いますが、もうしばし社殿めぐりにお付き合いください。
因みに左側は……
鬼の顔出し看板がある休憩所となっております。
神社には社務所はなく、人が常駐していないので使用の際はルールを守って使用しましょう。
社殿正面には石で出来た看板が掲げられています。これが落下してきたら大ケガどころじゃ済みそうにないですね……。
しかも、御祭神名かと思いきや神社名でした。
羅刹鬼を懲らしめた三ツ石様の正体は分からずじまい……結局調べても祭られている御祭神がなんなのかは分かりませんでした。
どなたか分かる方がいましたら教えてください。お願いします。
そして、社殿の壁には手形が……ですが、これは本物ではなく見ての通り、壁画です。
それでは、名前の由来となった三ツ石を注意深く見ていきましょう!
はい、これが三ツ石神社の由来となった三つの巨岩となります。
東北地方……とりわけ、岩手ではこのように岩を御祭神として祀る場所がいくつもあります。
太古から岩や木には神が宿るとされており、磐座《いわくら》や神籬《ひもろぎ》などと呼ばれ崇敬されてきました。
代表的な例では山全体を御祭神とした大神神社の三輪山などがそうですね。
三輪山は禁足地として崇められていますが、ここではこの岩に触れても良いとのこと。
さらに三ツ石神社は岩手県内でも有数のパワースポットとなっています。
巨岩から大地のエネルギーをもらうことが出来るでしょう。
出来ることなら、鬼の手形に直接触れることが出来たらなお良いです!
……そう、出来ることなら。
手形はど~こだ?
さて、この神社には日本全国津々浦々から観光客が訪れ、ブログなどにも紹介されてはいるのですが……皆さん、ある問題に直面しているようです。
それは……
手形……どこ?
そう、手形の場所……それが分からない!
一応、そばには手形があった場所らしき写真が掲載された看板がありますが……
なにせ、撮影されたのが1986年の写真……だいぶ年月が経っています。
この手がかりを元に探してもなかなか見つけられないみたいです。
苔も昔と違って生え方が変わっていて、見つけるのは困難そのもの……ジグソーパズルやウォーリーを探せ、が得意な人なら見つけられるかもしれません。
実際、この日も境内の中にいた他の観光客の方が必死に探していましたがなかなか見つけられなかったみたいで、私に尋ねてきたほどです。
とはいえ、私自身も分からないので一緒に探してみました。
そうして、探すこと数十分……
「これ手形に見えない?」
と、観光客の方が教えてくれたのがこの部分……なるほど、黒っぽい影の部分が手のひらに見えなくも……ない。
結局、観光客の方はそれで納得して神社を去っていきました。
まぁ、そう思っていただけたのなら良いのですが……私としては写真にあった苔があまりにも無さすぎることに違和感を覚え、もう少し探してみました。
そして、私が見つけたのがこの場所
岩の根本……私が探した限りでは苔が生えているところはここだけでした。
この苔が生えている真ん中部分……うっすらと岩肌が見えるところが手形に見えませんか?
……とはいえ、私自身も確証はありません。
良いんです! 誰がなんと言おうが、自分が手形だと思えばそれが手形なんです!
自分を信じて生きていけばいい!
けれども、モヤモヤするのも事実なので観光協会の方……出来れば「ここ!」とはっきり分かるよう明記をお願いします。
さて、それではここで冒頭の梅雨の部分に戻りますが、なぜこの神社と関係があるのか?
実は、この岩に付けられた手形は雨の日になるとくっきり浮かび上がるといわれているんですね。
難易度がハードからイージーに変わるというわけです。
理由としては雨で岩が濡れると雨水が岩肌を伝い、苔と分かれるので晴れの日に比べて見つけやすいのだとか。
絶対に手形を見つけるぞ! という方は雨の日にチャレンジしたほうが良いかもしれません。
もしかすると、四葉のクローバーのように見つけただけでご利益や運気向上にあやかることが出来るかもしれませんよ?
おわりに
いかがでしたでしょうか?
梅雨時期は湿気がありジメジメして億劫だという方もいるかもしれませんが、雨の日だからこそ見られるものもあります。
それもまた、花見同様一つの季節限定イベントといえるでしょう。
ただでさえ、誰もがコロナ禍で家にいることが多い今この時こそ、個人として何か行動を起こすチャンスかもしれません。
雨の日の散歩でも良いですし、手形探しでも良いです。
誰もいないのであれば、迷惑をかけない程度に堂々と自由に動きましょう!
それが、小さな一歩となってやがて大きな一歩になることでしょう。
その大きな一歩が自分自身の人生を変えるきっかけにもなるかもしれません。
ピンチをチャンスに変えて前へと進んでいきましょう!