備忘録

〖備忘録 第5譚〗物価高は止まらない…

 おばんです、シードルです。

 突然ですが、私は秋になると楽しみにしているものがあります。

 それは『あんぽ柿』

 あんぽ柿とは皮をむいた後の柿に硫黄燻蒸を行い、その後自然乾燥して完成させる干し柿に似たようなもの。

 ただし、ただ自然乾燥させた干し柿とは違い、こちらの柿は硫黄で燻製にしているので甘味や栄養価、みずみずしさがあり全然違います。

 干し柿が苦手でもこちらはいける、という人もいるのではないでしょうか?

 そんなあんぽ柿ですが、やはり干し柿に比べて少し値段が高くなっているんです。

 だいたい例年だとスーパーで4、5個ほど入って五~六百円ほど……まぁ、それぐらいなら許容範囲内なのですが、本日スーパーに行ったところ……なんと売られていた値段が4個で八百円ほど!

 いや~、さすがにこれには驚きました。

 商品を何度見てもいつも買っているもの……たった一年で二百円も値上がりするものなのか……と。

 まぁ、こちらは流通したばかりで、もう少し経ったら値下がりするかもしれませんし、日々の生活に強い影響を与えるわけではないので、構わないのですが。

 同じ値上がりで現在シャレにならないのが、ガソリン、お米、電気、小麦、卵などです。

 なんかもう「ローテーションか!」ってツッコミたくなるほど交互に値上がりしている気がします。

 東日本大震災の原子炉の関係で電力供給が不足し、節電と値上がり……そんな中でガソリンが話題に上がり、鳥インフルエンザなどで卵が値上がりし、ウクライナの戦争で小麦類が高騰……それを払拭するかのように猛暑だインバウンドの影響で米が不足し、値上がりと在庫不足……新米が出始めたら、今度は猛暑でニワトリが卵を産まなくなったとのことでまた卵が値上がり……すごいですね、もう無限ループ。

 正直、日本も過去に大戦後の物資不足やオイルショックによる価格の値上がりや石油関連商品の供給不足などはありましたが、急激な値上げをしてもまた適正値まで下がっていたと思います。

 ただ、今の日本の場合……なにかが起こったら「これ幸い」とばかりすぐさま価格を釣り上げ、落ち着いてきたら何かと言い訳をして下げないといったようなことが見られます。

 今回起こった令和の米騒動でも私の親しい間柄の方で農家をしている方は「えっ、米余っているよ?」と言い、躊躇いもなくお米30kgをくださいました。

 その際に今の米の現状を伝えると「まさか(笑)」と始めは信じていなかったのですが、スーパーに行って実際の値段を見せてあげると「えぇ⁉」と驚き、写真にまで収めていました。

 なぜ知らなかったのか聞くと……

「米は自分たちで食べる分はあるからスーパーとかで買うことはないし、テレビもあんまり見ないから知らなかった…」

 とのことでした。

 実際、お米を作っている農家さんは米なんて買うことは滅多にないでしょうから、聞いて納得の理由でした。

 恐らく、世の中がこんな騒動になっていることを知らない方はまだいるでしょう。

 石油や電気は仕方ないとしても今回の米や卵、小麦の不足による値上がりというのは日本の食料自給率の低下が招いた事態だと個人的には思います。

 令和5年における日本の食料自給率は……

・カロリーベース食料自給率(国民の食生活における自給率)……38%

・生産額ベース食料自給率(国内で消費される食料のうち、国内で生産された食料の金額が占める割合)……61%

と、なかなかシビアな状態です。

 ざっくり述べるならカロリーのほうは普段私達が食べているものの中で国産のものがあまり無い、ということ……生産額のほうは消費されている国産ものの金額が半分以上ということですね。

 カロリーベースのほうは言わずもがなですが、生産額は半分以上もある……なんて安堵してませんか?

 これは国産の食料を大量に買っているというわけではなく、値段の高い国産ものが消費されている…ということ、つまり高級なものしかなく、安価な外国産を買っているという現状を表しています。

 つまり、国内で時給生産できる数字は……実際にはかなり低いわけです。

 庶民は国産に手を出したくとも出せず、安価なものに手を出す……すると生産者の方も生活があるので買ってもらうために高価なものを作らざるおえない……それを作ることができない人は土地を手放さざる負えなくなり、さらに自給率が減る……こちらもループ突入です。

 こういう場合、土壌の開発や良質な品種の提供を国などの行政機関が手助けすれば良いのですが……現在行っていることといえば「農業の担い手を探そうぜ!」の人材確保の一点張り……ただでさえお金がかかるこのご時世にそんなことを謳っても人が来ないのは当然の帰結といわざるおえません。

 日本には四季があり、気候や土地の種類も豊富です。

 全国で品種を統一するような昔ならともかく……現代は病気や寒暖差に強い品種も開発されているうえに、設備や技術、知識だってあります。

 詳細なデータを取り、全国でその土地に本当に適した動植物を育てることが出来れば、自給率を増やせそうですが……浅はかな考えでしょうか?

 人口増加により近い未来、食料が不足して困窮する……だから地球から離れて火星や月に移住しよう! なんてことよりも、農業や漁業、酪農の担い手を増やし、援助するほうが重要だと個人的には思うのですが……。

 先人たちの教えから学ぶなら、昔の名領主達が真っ先にやったことの共通事項は国力の確保……利便性や財源を増やすよりも自給率を上げ、暮らしを安定させることでした。

 オリンピックやマイナンバーカードの機能拡充よりも賃金を上げたり、物価や税金を下げたり、食料自給率をせめて50%ほど上げたり、出生率を上げたりの方が急務な気がします。

 まぁ、政治家の方は頭が良いでしょうから、一気に打開する策があるのかもしれません。

 私のような者には分かりませんが……。

 もしかすると、これからの時代はお金をたくさん持つことよりも自分の土地で家庭菜園を作り、それを自分たちで食べたり、親しい人と物々交換する生き方のほうがよほど幸せで良い生活を送れるのかもしれませんね。

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