皆さんは『甘藍』という言葉をご存じでしょうか?

 読みとしては『かんらん』『たまな』とも呼ぶこの野菜……その正体は皆さんもお馴染み『キャベツ』です。

 高くなったり安くなったり……生でも良いし、炒めても良い。まさに万能野菜の一つとも呼べるキャベツ。

 そんなキャベツですが、岩手でブランド化されていることもご存じでしょうか?

 誰でも知っているようで意外と知らない……今回はそんな岩手のキャベツについてご紹介します。

100年の時代を経て作られた南部甘藍

 時は文明開化の明治時代……日本へやってきた西洋の野菜『キャベツ』は、当時『甘藍(かんらん)』と呼ばれており、岩手では盛岡を中心に、いち早く栽培を始め、人々はその丸い形状に親しみを込めて『玉菜(たまな)』と呼ぶようになりました。

 やがて明治37年(1904)になると盛岡市近郊において、岩手の風土に適した『南部甘藍』が育成され、鉄道を利用した東京出荷も試みられるようになり、一時は国内のみならず中国、台湾まで出荷するほどの規模に……。

 しかし、時代の変化とともに消費者の嗜好性も変化。さらに輸送の問題による『ゴマ病』(白菜などにある黒い斑点のようなもの)の異常発生により、壊滅的な打撃を受け生産は衰退の一途を歩み始めました。

 けれども昭和59年にその衰退の歩みを止めんとする生産者有志が「キャベツ産地をもう一度作ろう」と立ち上がり「柔らかく、甘いキャベツが夏場に欲しい」という消費者の要望に着目し、従来の寒玉系品種とは異なる質の高い春系品種を導入することに。

 この春系は、栽培は難しいと言われていましたが、生産は軌道に乗り……夏場で緑が濃いことから、みずみずしさを表現した『いわて春みどり』のネーミングでオリジナルブランドとなりました。

 こうして約100年あまりの時をかけ、新たな南部甘藍が誕生するに至ったわけです。

レポート

見た目

 それではさっそく見ていきましょう!

 今回の春みどりは岩手町を代表する道の駅『石神の丘』内にある産直コーナーで購入(183円)しました。

いわて春みどり2

 見た目はビニール袋に入った普通のキャベツ……正直、ラベルを見ない限り、違いは分かりません。

 まぁ、でも……袋を取ってみればまた違って見えるかもしれません。

いわて春みどり1

 袋を取り、さらに外側の厚い葉を取り、さらにさらに明るくしてみましたが、ますます普通のキャベツと見た目はあまり変わりません。

 強いて言えば、葉の緑色がスーパーで売られいるものより鮮やかなことと、見た目とは裏腹にずっしりと重みがあることぐらいでしょうか。

 格付けチェックなんかで出されたら、当てられる自信はありません……。

匂い

 さて、続いて匂いの方ですが……これはキャベツ特有の葉臭いというか、青臭さは感じられませんでしたね。

 このような葉物野菜は時間が経ったり、葉を向いたりすると特有の匂いが出るものですが、春みどりに関してはそのような匂いは全くといって良いほどしませんでした。

 キャベツ自身が瑞々しいのもあるからでしょうか?

 不思議ですが、流石はブランドものといったところでしょう。

 キャベツはとんかつやトンテキなどで千切りにされているので、やはり最初は生の味を堪能するとしましょう。

 ということでキャベツを千切りに……。

 ……少し太いのはご了承ください。

いわて春みどり3

 そうして切ったキャベツをそのまま口に入れて実食。

 瑞々しさがあったので、シャキシャキ感は当然あるとして驚きなのが甘みがあるということ!

 安物キャベツや状態がイマイチのキャベツを食べると苦味のような渋さがあったりするのですが、春みどりはそんなことなく、生でも躊躇なく食べられる美味しさがありました。

 そして、シャキシャキ感とは裏腹に食感が柔らか……通常のものは芯に近い部分ほど固くて食べられなくなるものですが、こちらは意外と平気。

 はらぺこあおむしでも一個丸々食べられそうです。

いわて春みどり4

 生だけだと見落とす部分もあるので、今度は調理して実食。

 キャベツに合う豚肉とつゆなどを使った簡単炒め物。

 はてさて、火を通すと果たしてどうなるか…………。

 味の方はなるべくシンプルにしたためか、キャベツが豚肉により添うように旨味を引き出し、一緒に口に入れることでご飯が進む良いおかずに……。これは美味いですな。

 味の沁みたキャベツだけでも十分お米に合います、ごちそうさまでした。

用途&感想

 キャベツの甘みと柔らかさを生かすならば、やはりサラダにして食べるのが一番でしょう。

 キャベツの青臭さが苦手という方には一度試してみるのも良いかもしれません。

 ただ、もちろん浅漬けや蒸し料理などにも合いそうな気がします。

 料理に関しては、今回は炒めものとして使いましたが……オススメとしてはロールキャベツが一番かもしれません。

 肉とキャベツの旨味を生かし、スープとしても残さず食べられることが出来る……。

 料理スキルが上がったら、ぜひとも挑戦してみたいものです。

商品アフィリ

 春みどりは旬は5月~11月頃となっていますが、道の駅などの店頭で本格的に販売されるのは5月半ば・6月頃~秋頃までとなります。

 岩手町の道の駅『石神の丘』に行けば、ほぼ確実に入手することができるので岩手町を通りがかった際は立ち寄って購入し、ぜひともご賞味ください!

おわりに

 キャベツは簡単に調理できて、野菜としての栄養を取ることもできる料理初心者には心強い味方です。

 焼く、蒸す、炒める、漬ける……一つの食材でこれほど多くの調理方法を持ち、失敗しにくい食材はなかなか無いでしょう。

 普段はなかなか料理しない方もこの期に乗じて、キャベツ料理のレパートリーを増やし、岩手が誇るブランドキャベツ『いわて春みどり』を堪能してみてはいかがでしょうか?