備忘録

〖備忘録 第81譚〗人間は難しい

 おばんです、シードルです。

 人間とは難しいものだ……そう感じることが普段の生活の中で多々あります。

 例えば、良かれと思ってやったことが大きなお世話だったり、そっとしてあげたことが逆に冷たかったり……。

 こういうすれ違いはよくあることだと思います。

 さもっと嚙み砕けば、デートなどではその思いやりが緻密な精度を要求され、少しでも外れたら「はい、さようなら」という状況に陥ったり……また、不機嫌な人に対しては普段やっていることをやったら「余計なことをしないで!」と怒られたり……。

 もはや時限爆弾の解除をするよりも遥に難しい。

 こうして見ると人工知能やロボットを相手にしているほうがよほど楽に感じます。

 なぜ、こうも複雑なのか?

 それは人間には『感情』があるからだと思います。

 もちろん、人間以外の動物も感情はありますが、人間の方が感情に支配され、それを基準に生きているといえるでしょう。

 動物は本能の赴くままに生きている、だから動物の方がよほど感情的ではないのか? と思うかもしれませんが、私としては動物は感情というより本能が勝っているような気がします。

 食う、寝る、繁殖する…………これを第一とし、雌の取り合いや子を守るために怒り、失ったら泣く……生き物としての根幹で生きているといえます。

 まぁ、ストレスなどが溜まったり、何かで遊ぶという行動もありますが、それは自然界では稀なことであり、よく見かける事例としては人間に飼育されている時が主かと思います。

 一方で人間はストレスに弱く、環境や人間関係、思想などで悩み……気が滅入ったり、病気になったり、挙句の果てに自ら命を断つ、という行動に走りがちです。

 楽しいことに対しては自身の生活を揺るがすほど私財を投げ込んだり、喜びに浸り過ぎると暴走して歯止めが利かなかったり……こうして見ると自制が利いているのは意外と動物の方なのかもしれません。

 共食いこそは種の存続のために一部の生物は行いますが、感情による同族殺しをするのは人間くらいなものでしょう。

 恐らく、100年生きようが1,000年生きようが時代ごとの変化により価値観や思想は簡単に変わるので人間のことを真の意味で理解するのは不可能でしょう。

 ただ、そんな人間もしょせんは生き物……簡単ですぐに成果が出るものに関しては心が揺らぎますし、自身の利になるものがあればそちらになびきます。

 生き物としては単純ですが、心は複雑……本当に人間とは難しいものです。

 そもそもその人の感情はどのように形成されるのか?

 それはその人の過去や今まで培ってきた経験、触れたことによるもの…………優しい人に囲まれれば優しい人になりやすいですし、厳しい人に囲まれれば厳しくなりやすい……けれども、逆にその環境に浸りすぎることによって他者を見下したり、あるいは反面教師として成長することもある。

 能力は意図的に作ることができても心は自然に成されるもの、といえるでしょう。

 だから、自身の言動で離れる人もあれば寄ってくる人もいるわけです。

 確実にいえることはこの世で自身の対となる存在は必ずいる。

 その対はかつて、や今、の家族や恋人、友人、仲間……あるいはまだ見ぬ人などです。

 それを昔の人たちは『縁』と称してきました。

 難しい人間だからこそ、一喜一憂せずに縁に全てを委ねるのがベストなのかもしれません。

 

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