名所

数々の伝説を持つ桜雲石【盛岡市‖石割桜】

 4月といえば入学式や入社式など様々なライフイベントがあり、1年の中でも特に『始まりの月』といっても過言ではありません。

 また、4月はそんなイメージとともに桜が咲く季節としても有名な月でしょう。

 岩手を始めとした東北地方は寒冷地域ということもあってか、例年で桜が咲く時期というと5月の上旬……ゴールデンウィークを指します。

 ただ、2023年は比較的気温が高い日が続いたこともあり、岩手でも桜の便りが早く届きました。

 今回はそんな桜の開花に伴い、岩手でも特に有名な桜を紹介しようと思います。

岩から生まれし桜の古木

 その桜があるのは『盛岡地方裁判所』の敷地内と、意外と街中にあります。

 名を『石割桜』といい、樹齢が約360~400年ほどあるエドヒガンザクラです。

 この石割桜の前は中央通りとなっており、日中は車もさることながら人の数も多い通りとなっています。

 さらにこの通りは夏になると『さんさ踊り』の開催地となっており、四季を問わず賑やかな通りとなっています。

概要

 なぜこのような人通りのある場所にこのような桜の木があるのかというと、それは盛岡地方裁判所の敷地が関係しています。

 元々、この敷地は南部藩(盛岡藩)主の分家である家老、北監物の屋敷跡であり庭園にあたり、庭石の割れ目に桜の種が飛んできて芽を出し、成長とともに石の割れ目を押し広げていったものといわれています

 明治の頃には『桜雲石』とも呼ぼれており、伝承では庭石の割れ目は落雷によりできたものとされています。

 1923年(大正12年)には国の天然記念物として指定されました。

 しかし、1932年(昭和7年)に盛岡地方裁判所が火災に見舞われ、その時に石割桜も北側の一部が焼けるという憂き目に遭いましたが、幸いにも全焼を免れ、翌春には再び花を咲かせました。

 その火災の折、庭師である藤村治太郎氏が身につけていた半纏を水で濡らし、濡れた石で足を滑らせながら口を切るケガをしたものの石割桜を守ったという逸話があります。

 2000年(平成12年)頃に50年ぶりに樹木医による本格的な治療が行われましたが、現在もなお綺麗な花を咲かせています。

 天の奇跡により生まれ、人々の手で守られてきたロマン溢れる生い立ちの一本桜……それが石割桜です!

石割桜へのアクセス

『石割桜』のルートとしては電車からバスを利用したルートと車を利用したルートの2種類が存在します。

電車&バスJR盛岡駅→バスに乗車→中央通り一丁目バス停(約5分)→石割桜(徒歩で約1~2分)
車&タクシー高速道路、盛岡IC→盛岡市内(約30分)→周辺有料駐車場→石割り桜

 

 盛岡市内は盛岡歴史文化館をはじめ、飲食店などがあるため有料駐車場や立体駐車場が豊富です。

 ただし、駐車場がある場所は路地裏などが多く、そのような通りに行くと車両進入禁止のエリアもたまにありますので、盛岡市内の地利に不安がある方は盛岡駅からバスを利用しましょう。

 車で行く場合の駐車場としては『盛岡城跡公園地下駐車場』がオススメです。

 なぜ、この駐車場がオススメなのかというと台数が多く入るうえ、短時間で市内を巡る場合は料金が安く済むからです。

 盛岡城跡公園地下駐車場の料金としては……

料金区分時間料金
基本料金8~18時150円(30分ごと)
18~22時150円(1時間ごと)
22~8時80円(1時間ごと)
上限金額8~18時1100円
18~8時800円
一般の有料駐車場が約2時間ほどで400~500円。1時間の延長で100~200円の加算があると考えれば短時間駐車をする分にはお得です。

 また、石割桜が咲く頃になれば盛岡城跡公園の桜も見頃を迎えますので、一度に2ヶ所楽しむことができます。

探勝レポート

それではさっそく石割桜を見ていきましょう!

石割桜正面

 盛岡地方裁判所の敷地内といっても石割桜があるのは裁判所の前です。

 そのため、通りを歩いていればすぐに見つけることができます。

 桜が咲く時期にもなれば多くの人達が花を見に集まるのでさらに見つけやすいでしょう。

石割桜側面

 一般的には正面から写真を撮影する人が多いですが、背面や側面からの撮影も趣があります。

 ちなみに盛岡市内には他にも龍谷寺にある『モリオカシダレ』が国の天然記念物に指定されており、1つの市内で複数の桜が指定されていることは全国的にも大変珍しいことなのだとか……。

さらに、付け加えると盛岡市は桜が国の天然記念物に指定されている『日本最北端の地』とのこと……私はてっきり青森にあるものかと思っていました。

石割桜根本(岩の割れ目)

 石割桜の根本の部分はぎっちりと石が挟まっています。

 この石は巨大な花崗岩でできており、現在もなお割れ目は北側南側に少しずつ広がっている、とのことです。

 まさに生きる伝説ですね!

おわりに

 幾度の苦難に苛まれながらも人々の手により守られてきた石割桜は樹木医に診てもらったとはいえ、古木とは感じられないほどの強い生命力を持っていました。

 4月から新たな生活を始める方々もこの桜のように力強く、美しく……これからを歩んでいってほしいものですね。

 私としてはこの石割桜も開運においては十分なパワーを持っているのでは、と感じました。

 強固な現状、逆境を打破したいという方はぜひとも訪れ、石割桜からパワーをいただきましょう!

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